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常盤貴子主演『グッドワイフ』が描く検察組織のダーティぶりがリアルすぎる! 番組Pはなぜか小渕優子の夫

 ドラマでは他にも、裁判官と弁護士が仲良くフットサルをしたり、また武田鉄矢演じる落ちぶれたジャーナリストがネット番組『真実報道』で放言やデマを撒き散らしていたのが、『報道特注』(文化人放送局)や『ニュース女子』(DHCテレビ)といったネット番組に似ていたり、と現実社会や言論状況までをパロディしているかのような設定やディテールなどが随所に散りばめられていた。

 テレビの報道が忖度や圧力によって、政権批判を完全に封印してしまっている中で、『相棒』など、一部のドラマが政権批判を盛り込んで一矢報いようとする動きを見せているが、この『グッドワイフ』からも明らかにそういった意図が感じられるのだ。

 しかも、『グッドワイフ』は検察と政界の癒着という、新聞テレビが絶対に触れることのできないもっとも強固なタブーを、これまでにないリアルさで切り込んでいる。

 演出を務める塚原あゆ子氏は、大ヒットした『逃げるは恥だが、役に立つ』(TBS)で知られる人物。『逃げ恥』でもそのリベラルな視点が際立っていたが、昨年放送の『アンナチュラル』(TBS)でも、山口敬之氏による伊藤詩織さん性的暴行事件を彷彿とさせるような事件を描いていた。『グッドワイフ』はアメリカのテレビドラマが原作だが、壮一郎の事件などは日本版オリジナル。塚原氏のリベラルでジャーナリスティックな視点がかなり生かされているのではないだろうか。

 しかし驚くのは、このドラマのチーフプロデューサーが瀬戸口克陽氏だということ。そう、小渕優子議員の夫なのだ。小渕議員といえば、2014年、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑が浮上したものの、まさに検察と政界の癒着によって、起訴を免れたといわれている。そんな政治家の夫がなぜこんなヘビーな検察批判のドラマをプロデュースしたのかさだかではないが、ドラマのスタンスはあっぱれというほかはない。

 今日17日、最終回を迎える『グッドワイフ』だが、ドラマの展開は現実はと違って、小泉孝太郎に説得された内閣府特命推進事務局長が証拠文書を提供し明るみにしたことで、大物政治家のインサイダー疑惑を暴いた壮一郎は検察に復帰し検事正に出世、今度は壮一郎が、妻・杏子に想いを寄せる多田弁護士を裁判官との癒着、贈賄容疑で逮捕するという驚きの展開を見せている。ドラマの行方と同時に検察という組織がどういう描かれ方をして終わるのか。その行方も注目される。

最終更新:2019.03.17 06:37

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