こうやって改めて振り返ってみても、セブン-イレブンに代表されるコンビニの労働問題は、まだまだ根が深く、マスコミも十分に報じているとは言えない。というか、今回、「弁護士ドットコム」の報道が大きな反響を呼び、ネットでその過酷な労働環境や本部との一方的な契約の問題についてセブン-イレブン・ジャパンを批判する声が大きくなったことで、マスコミはようやく重い腰を上げざるをえなかったということなのだろう。
ところが、これだけ世論がセブンを批判しているなかにあっても、いまだにマスコミのなかには、セブン本部側を擁護するような論調もある。たとえば、2月21日放送の『とくダネ!』(フジテレビ)では、深夜営業を取りやめたフランチャイズ店舗のオーナーに対して、MCの小倉智昭が「フランチャイズというのは名前を借りて営業するわけですから、名前を借りた先の契約に対しては、ある程度のことはやっていかないと、難しいでしょうね」と述べた。「契約なのだから破ったほうに問題がある」という主張を堂々とするところに、「どうしてもセブン-イレブン批判に着地させるわけにはいかない」というグロテスクな裏事情が透けて見えるだろう。
いずれにしても、重要なのは、メディアが今後、自主規制や忖度をせずに、その実態を知らしめていくこと。そして、コンビニを利用しているわたしたちひとりひとりが、継続して、その労働環境をよく考えることだ。セブン-イレブンに代表されるコンビニ問題を解決するための道のりは、まだ、最初の一歩を踏み出しただけなのである。
(編集部)
最終更新:2019.03.05 11:19