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安倍政権はエンゲル係数も偽装しようとしていた! 安倍首相の国会答弁のあと、数値が低くなるよう分母変更する新方式

総務省統計局HP『統計Today』から


 官邸による関与の実態が次々に暴かれている統計不正問題だが、ここにきて、政府によるとんでもない“統計偽装”の事実があきらかになった。

 なんと、総務省統計局が「エンゲル係数」について、HPで新たな算出方法で「修正エンゲル係数」なる指標を公表していることがネット上での指摘によりわかったのだ。

 エンゲル係数は言わずもがな、家計の消費支出総額に占める食料費の割合のこと。一般に、エンゲル係数が高ければ高いほど生活水準の低さ(生活の苦しさ)を表している。このエンゲル係数は中学校で習う生活水準を示す基本的な経済指標であり、総務省は基幹統計である「家計調査」で算出をおこなっている。

 そして、このエンゲル係数が、第二次安倍政権において急上昇。「家計調査」によれば、2005年に22.9%(2人以上世帯)の最低を記録してからは長らく23パーセント台となっていた。ところが、アベノミクスが始動した2013年から急激に右肩上がりをはじめ、2016年には25.8%を記録。これはじつに約30年前と同じ水準であり、2017、18年も高止まりしたままだ。

 昨年1月31日の参院予算委員会では、この問題について民進党・小川敏夫議員(現・立憲民主党)が追及。小川議員は“アベノミクスがはじまって以降、実質賃金が下がっており、家計調査の消費支出も落ち込んでいる”と指摘した上で、「生活の豊かさを示すエンゲル係数は顕著に上がっているという状況であり、こうした統計から明らかに言えることはアベノミクスによって国民生活は苦しくなったのではないか」と質問。

 すると、安倍首相は、またぞろ聞かれてもいないのに有効求人倍率や名目賃金のベースアップなどを持ち出し、アベノミクスで景気は上向きになっているとアピール。そして、エンゲル係数の上昇については、「物価変動のほか、食生活や生活スタイルの変化が含まれているもの」などと主張。つまり、外食も増えたし割高な総菜を利用するなど食料費は増えている、生活は豊かになっているのだと強調したのである。

 この国の総理大臣はエンゲル係数の意味をわかっているのか、庶民が置かれた状況を把握しているのかと多くの人を驚嘆させたが、この答弁の翌日には、「Wikipedia」における「エンゲル係数」の項目が、なにものかによってまるで安倍政権に都合よくするかのように書き換えられる事案まで発生。大きな話題となった(詳しくは過去記事参照→“生活苦の指標”エンゲル係数アップに安倍首相がデタラメ言い訳! 直後にWikiのエンゲル係数解説が改ざん)。

 だが、驚いたことに、安倍首相を追随したのは、ネットの安倍応援団だけではなかったようだ。この答弁から約4カ月後に、安倍首相のトンデモ強弁を正当化するような新調査方式を、統計を司る総務省が発表していたのだ。

 それが、総務省統計局が打ち出した「修正エンゲル係数」なる指標だ。

 総務省統計局のHP上に「統計Today」という〈統計作成者から統計の利用者、調査の対象者にあててお送りするメッセージ〉の連載があるが、同局は昨年6月8日に阿向泰二郎・統計調査部消費統計課長による「明治から続く統計指標:エンゲル係数」というタイトルのレポートを掲載。ここで「修正エンゲル係数」なる謎の指標を打ち出したのだが、その中身があまりにご都合主義的なトンデモだったのである。

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