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ウーマン村本大輔が朝鮮学校差別を煽る政治とメディアを痛烈批判! 韓国・朝鮮バッシングが無自覚な暴力を生んでいると

note 村本大輔ブログ『今更ですか?』より


 今月7日、国連の「子ども権利委員会」が日本政府に対し、朝鮮学校が授業料の実質無償化から除外されていることの見直しを勧告した。子ども権利委員会は国連で採択された「子どもの権利条約」に基づいて設置された委員会。先月16日から2日間、ジュネーブで対日審査を行っていた。

 審査のなかで日本政府代表は、朝鮮学校を無償化の対象外にしていることについて「生徒の国籍を理由とした差別にはあたらない」と強弁していたが、今月の審査結果では、「他の外国人学校と同じように扱われるべきだ」と勧告。これは、同委が朝鮮学校無償化除外を「教育を受ける権利」や「差別問題」として捉えており、日本政府の「差別ではない」との言い分は否定されたのだ。

 ネット上のヘイトスピーチや、在特会関係者らが朝鮮学校を襲撃するというヘイトクライムが続出しているなか、それらを扇動するように安倍首相は北朝鮮ミサイル問題を煽り、各自治体による朝鮮学校への補助金停止まで進めている。この状況下は“政府ぐるみの差別政策”であり、国連・子どもの権利委員会の勧告は当然だ。

ところが、今回の子どもの権利委員会の勧告をまともに報じたのはNHKニュースぐらいで、他の新聞やテレビなどマスコミはまったくと言っていいほど取り上げていない。本サイトでは以前から、この朝鮮学校無償化問題が大手マスコミでタブー化している事実を散々指摘してきたが、今回もそれがモロにあらわれたというわけだ。

 そんななか、あのウーマンラッシュアワーの村本大輔が、朝鮮学校無償化問題について本質を突く指摘をしている。村本といえばつい先日福島に関する発言で炎上し謝罪したばかりだが(この発言も非難に値するものとは思わないが)、朝鮮学校に関する文章は是非とも紹介する必要があるだろう。ウーマンラッシュアワーは昨年末の『THE MANZAI』(フジテレビ)で披露した漫才でも「朝鮮学校の生徒さん、無償化を求めて一生懸命寒いときにビラくばりとかやっている」と触れていたが、今月8日、村本はサイト「note」に、あらためて自分の体験から朝鮮学校に関する投稿をしたのだ(note 『今更ですか?』)。

 そこには、年末の『THE MANZAI』で朝鮮学校無償化について触れた理由についても書かれているので、ぜひ読んでもらいたいのだが、村本によれば、オンエアの後、感謝の言葉などの「びっくりするぐらいの反響」があったという。だが、村本が強調しているのは「反響」それ自体ではない。引用しよう。

〈僕は「ちょっといいことしたかもな〜」と少し気持ちよくなってた。しかし、その気持ちは一気に恥の気持ちに転落した。後日、韓国籍の芸人の後輩と話した。彼は僕の漫才をみてふたつの気持ちがでてきたと。
 ひとつは「ニュースにまでなってたくさんの人に知ってもらえた、本当にありがとうございます、もうひとつは、本当に嫌な気持ちにさせたらすいません、
今更ですか、いまやっとですか…?」と思ったと。〉(「note」より)

 村本が韓国籍の後輩芸人から告げられた「今更ですか」の言葉。それは、朝鮮学校をめぐる差別やいじめ問題が、日本のマスメディアにおいて十数年にわたってタブー化し無視され続けてきたという重い現実を表している。そして、朝鮮学校生徒へのいじめ・差別は、まさにときの政治とマスメディアに左右されてきたものだ。

〈話を聞くと彼らはもう何年も前からずっと訴えてきた。でもニュースにならない、芸能人もメディアも触れてくれない。彼は公立の普通の学校に通っていた、途中まで朝鮮学校に通っていたが学費が高すぎて、公立の日本の学校に移った。
 そこでは全くイジメられなかった。彼が言うには韓国朝鮮籍の子供がイジメられるタイミングはその時の日本、韓国、北朝鮮の関係によるという。彼の子供の時はそんなにニュースで韓国北朝鮮のいざこざがそこまで大きく取り上げられてなかった。
 しかし彼の妹の時は違った、拉致問題やミサイル問題がニュースで連日報道されていた。おそらくこうだ、政治家、テレビコメンテーターが朝鮮批判、それを受けた大人が韓国朝鮮政府、韓国朝鮮人を批判、その差別意識が子供にも落ちてきて、彼の妹は近寄れば拉致されるぞ、と同級生にからかわれ、学校にいかなくなったらしい。〉(「note」より)

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