ローラのインスタグラム
先日、本サイトでは、辺野古新基地建設を来年2月の県民投票まで中止することをアメリカ政府に直接請願するための署名活動(ホワイトハウスHP「We The People」辺野古埋立に抗議する署名サイト)の呼びかけを、りゅうちぇるたちに続いてローラも行なっていることを紹介、その姿勢と勇気に賞賛を送った。
だが、〈美しい沖縄の埋め立てをみんなの声が集まれば止めることができるかもしれないの。名前とアドレスを登録するだけでできちゃうから、ホワイトハウスにこの声を届けよう〉とInstagramで呼びかけたローラに対して、案の定、極右文化人や安倍応援団、ネトウヨの攻撃がどんどん高まっている。
たとえば、作家の百田尚樹氏は19日、こんなツイートをした。
〈『カエルの楽園』(新潮文庫)を2016年に刊行した時、「これは予言の書か!」と言われた。
というのは、『カエルの楽園』に描かれた出来事が次々に現実化したからだ。
で、今回、著者自身が腰が抜けるほど驚いたのは、『カエルの楽園』に登場するローラという牝ガエルが、現実にも登場したことだ!!!〉
〈『カエルの楽園』のローラに関して多くの人から「なぜローラという名前?」と聞かれた。作中のカエルたちの名前にはすべて意味があったからだ。でもローラには意味もなく、なぜその名前を付けたのか自分でもわからなかった。
だが今、現実のローラの出現に震えている。私は天才的予言者だったのかも…〉
『カエルの楽園』というのは、百田が2016年に出版した改憲扇動小説。そのなかのいちキャラクターである「ローラ」は、作中の「三戒」(=憲法)を守って平和に暮らそうとするメスのツチガエルで、侵略者に殺されてしまう。ようは、百田が悪意をもって護憲派を揶揄したキャラクターの一人なのだが、それと今回のローラの署名の呼びかけを重ね合わせて、「私は天才的預言者」などと自画自賛しているわけだ。
ネトウヨ作家らしいゲスなツイートだが、もちろん百田だけではない。ネトウヨから支持を受ける著名人たちが次々と批判を展開している。
たとえば、ネトウヨユーチューバーのKAZUYAこと京本和也氏は、自身のYouTubeチャンネルで「“私いいこと言ってる感”っていうかね」「自然を守るって主張だとしたら何を今更」「たぶんあいつら(左翼)に利用されますよ。ローラさんもこっち側なんだと」
などとローラを批判。経済評論家の上念司氏も〈那覇空港拡張の埋め立てはスルーして辺野古で騒いでいる人は信じません。バイオハザードファイナルでチョイ役やってた芸能人とかね〉などとツイートし、“ネトウヨジャーナリスト”である石井孝明氏にいたっては〈この人、日本人でなかったら、内政干渉行為と普通の国では騒ぎになりますけど〉などと、意味のわからない投稿をしていた(現在は削除)。
そして、こうしたインフルエンサーに感化されたと思しきネトウヨたちが、続々とバッシングを展開しているわけだが、これに関連していまSNSで散見されるのが、「署名するとアメリカに入国できなくなる」というデマだ。
〈ローラさん、この署名リストはそのまま米国入国拒否リストになるけど大丈夫?〉
〈あのね、これ言っとくけど、署名すると危険分子って見なされるかも知れないってさ。そうすると、アメリカへの入国が出来なくなったりするみたいよ。ま、ローラはアメリカでの仕事に制限かかるよね。自己責任で。〉
〈米国入国禁止になってもしらないよ。CIAにも情報はいきわたるだろうし。ご勝手に。〉
では聞くが、そもそもサイト「We The People」では30日以内に10万筆の署名が集まれば、ホワイトハウスが検討するという仕組みになっているが、21日現在、すでに14万人を超える人々が署名をしている。いうまでもなく、署名したのは日本で生活する人たちだけではなく、そもそも署名の発起人もハワイ在住で沖縄にルーツをもつ日系4世のアメリカ人の男性だ。ネトウヨはこの国内外の14万人が「アメリカに入国拒否される」とでもいうのだろうか。あまりに馬鹿げているではないか。