玉川氏は「上から目線」どころか、あらゆる国民に人権があるということを説得力をもって語っていたのだ。
しかも、玉川氏はこうした批判をその場の空気に乗っかって付和雷同的に口にしているわけではない。
本サイトで繰り返し報じてきたとおり、ここ数年のテレビ朝日は、安倍政権の意向を忖度し、政権批判的な報道がどんどん排除されている。『モーニングショー』も例外ではなく、政権批判的なテーマを扱うことが少なくなり、扱ったとしてもアリバイ的に2〜3分で済ますことも多くなっている。
しかし、そんななかでも玉川氏は、一切スタンスを変えることなく、短い時間のなかでも、真っ当で本質をついた政権批判を続けている。
2017年夏の都議選投開票日翌日の放送で、『モーニングショー』は各局が報じていた安倍首相の「こんな人たち」発言の映像も流さなかったが、玉川氏は「映像にはなかったけど」と自分からこの話題を持ち出し批判した。
また、森友・加計問題といったスキャンダルや共謀罪などの問題法案審議、選挙前後、海外首脳との会談といった政権の節目のタイミングでは、山口敬之氏や田崎史郎氏といった安倍応援団を解説者として出演させ、官邸の意向を代弁させるケースが多いのだが、彼らの詭弁やフェイクまがいの解説についても、玉川氏はきちんと反論し、問題点を突っ込み続けてきた。
たとえば、安倍首相が大統領選当選直後のトランプ氏と会談した際には、安倍首相を絶賛する山口氏に対して「仲良くなりすぎるのもよくない」と皮肉交じりに反論したこともあったし、森友問題で総理夫人付き担当者が財務省にFAXを送っていた問題で「ゼロ回答なので問題ない」という政権の無茶苦茶な言い分を垂れ流す山口氏に徹底反論し、完全に論破したこともあった。
さらに、安倍首相がヤジを恐れて演説場所を告知しないという前代未聞の“ステルス作戦”をとったことについて議論になったときには、「安倍首相に対するヤジはよくない」というイメージをつけようとする田崎氏に対し、玉川氏は国民の立場に立って、徹底的に反論した。
田崎「『安倍やめろ』っていうああいうやり方が正しいと思われてます?」
玉川「両方ともあっていいと思いますよ、僕は。あっていいと思います、ヤジも。だって国会でヤジ認めてるのに、一般の大衆ヤジ認めないなんておかしいじゃないですか」
田崎「だからこういう多くの人がこられてやるやり方が、正しいと思われてるの?」
玉川「いや、それは組織動員とかだったらどうかなと思うけど、一般の人でも安倍総理のやり方に対しておかしいと思ったら、目の前にいたら『おかしいじゃないか』っていうふうな人が出てくるのは自然だと思う」