たとえば、保守系ウェブサイト「アゴラ」は4日付で、「新潟知事選、下劣な花角氏へのネガキャンに開高健が泣き、産経も唖然?」と題した記事を公開。同サイトの新田哲史編集長が〈その事実が自身のウラ取りや選挙戦への影響を十分斟酌した末で提示した「事実」なのか〉〈「本音は池田候補を勝たせたいがための印象操作やネガティブキャンペーンを確信犯で行っている」という疑いがつきまとっても仕方がない〉などとがなりたて、畠山氏を個人攻撃したのである。
はっきり言って、いちゃもん以外の何物でもない。そもそも、知事選候補者という公人の応援演説をした人物が「新潟県には女性の知事は必要ない」と発言したとの事実を伝えるのは、至極まっとうな報道行為である。有権者は候補者の表面的なプロフィールや公約だけを見ているわけではない。どういった人たちが支持・支援しているのか、それもまた社会の正当な関心事であり、その材料として応援演説での発言事実を提示することは、まさに報道に求められる公益性そのものだからだ。
どうも「アゴラ」の記事を読む限り、そんな当たり前のこともわかっていないとしか思えないのだが、しかも笑えるのは、新田編集長がこんなことを述べて畠山氏を批判していることだ。
〈花角氏が本件をどう思っているかは知らないが、少なくとも応援にきてもらった陣営サイドとしては本意ではないようにみえる〉
〈花角候補本人にとって「ありがた迷惑」であろう発言を動画で拡散させ、そのマイナスの影響を考慮したようにはみえない〉
一見、正論風に語っているが、「マイナスの影響」とか「ありがた迷惑」とか花角陣営目線の言葉を平気で使うなど、「アゴラ」こそが露骨に花角候補を応援していることがバレバレなのである。「アゴラ」がいったい何に忖度して花角陣営に入れ込んでいるのかはよくわからないが、とにかくこの過剰な反応を見ていると、花角陣営がいかにこの女性蔑視問題にナーバスになっているかがよくわかる。
いずれにしても、新潟知事選は柏崎原発再稼働と安倍首相の総裁3選を左右する大きな節目になる。新潟の有権者はどうか選挙に関心をもって、投票所に足を運んでもらいたい。
(編集部)
最終更新:2018.06.07 08:29