5月28日参院予算員会で答弁する安倍首相(参議院インターネット審議中継より)
すぐに嘘とわかる言い訳や露骨な責任転嫁、傲慢な居直り姿勢でいま、世間の集中砲火を浴びている日本大学。しかし、“嘘と居直り、責任転嫁”にかけてはやはり、この人の右に出るものはいないのではないだろうか。
きょう、国会では衆参予算委員会で集中審議がおこなわれたが、安倍首相はまたも説明責任もクソもない信じがたい答弁に終始した。明らかな嘘やまったく答えになっていない答えを平気で口にして、野党が反発すると苛ついた様子で「私の発言を妨害している!」とキレ芸を披露。委員長にも「聞かれたことには的確に簡潔に答弁するように」と注意される始末だった。
いったい安倍首相の答弁がどれくらいひどかったか、具体的にあげてみよう。まず、先日、公開された森友学園との交渉記録をめぐる答弁。この記録には、昭恵夫人付職員・谷査恵子氏が財務省に2度にわたって電話をかけ、“総理夫人に照会があった”として「優遇を受けられないか」と問い合わせをおこなっていたことが明記されていた。
これまで「谷さんが自発的にやったもの」と説明してきた安倍首相はこの記述にいったいどう申し開きするのかと注目していたら、この居直り総理はなんと、「優遇をしてくれということでなく、制度に関する問い合わせだ」と言い張り、「もうすでに出ていることが書かれているだけの話」「(文書には)まったく新しい事実はない」と強弁したのである。
しかも、笑ったのが、「3000ページをちゃんと真面目によく精読していただければ(わかる)」などと説教を始めたことだった。
あの〜、財務省が今回、出した交渉記録は約1000ページで、約3000ページというのは改ざん前の決裁文書のほうなんですけど……。ところが、安倍首相は間違いにまったく気がつかず「みんな3000ページ読んでるわけがない。3000ページは大変なんですから」とさらに説教を続け、自分が交渉記録を読んでいないどころか、交渉記録と決裁文書の区別さえついていないことを自らバラしてしまったのである。
さらに森友問題では、あの「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」発言にかんしても、驚きの答弁をおこなった。
「贈収賄ではまったくないってことは申し上げておきたい。そしてそういう、私は文脈のなかにおいて(自分や妻が)一切関わってないということを申し上げているわけでございます」
あんなに堂々と「関係していたら辞める」と啖呵を切ったくせに、昭恵夫人の関与が明白になると「贈収賄だったらという文脈で『辞める』と言った」と後出しジャンケンで発言を修正してくるとは……。しかし、この苦し紛れの姑息な答弁修正は、言わば昭恵夫人のかかわりを認めたようなものではないか。