小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100 第13号

自分の権利のために声を上げることは、他の人の権利を守ることにつながる! とある新聞記者とパワハラ社長の戦い

 双方の言い分が出尽くすと、客観的な残業の証拠が残っていることを踏まえ、裁判官は会社に対し一定の金銭の支払いによる解決を促した。

 しかし、会社は今度は財務資料を出してきて、経営状態が悪いとして出し渋る戦略に出た。経営状態が良かろうが悪かろうが法律上払うべきものは払わなければならないのであるが、裁判官はこちらに譲歩を求めてきた。裁判官は会社から「経営状態」を言われると結構弱い、という面が実はあるのだ。

 組合は、それならば、と金額で一定譲歩するかわりに、今後の職場環境改善につながる和解条項として次の8項目を提示した。

1、今後タイムカード等を導入し全従業員について労働時間を適切に管理すること。
2、民主的に選出された従業員代表との間ですみやかに三六協定を締結すること。
3、課長代理および課長職など労働基準法上の管理監督者に該当しない者に対して労働基準法に基づき時間外労働に対する残業代を適切に支払うこと。
4、休日出勤について労働基準法に基づく割増残業代を支払うこと。
5、有給取得を理由として精皆勤手当をカットしないこと。
6、就業規則を速やかに整備すること。
7、原告に対し、会議に参加させない、一時金を支給しない等の差別的取り扱いをしないこと。
8、社内におけるパワハラ行為が一掃されるよう、適切な対策を取ること。

 これらは残業代請求とは直接関係のない項目も含まれていたが、和解なのだから当事者がOKならばどんな和解でもできる。団体交渉で進展しない項目については裁判所の和解条項で解決しようという戦略だった。

 しかし、裁判期日後に代理人を通じてこれらの要求を知らされた社長は怒りを爆発。原告の2人に対して、「お前がいると全員失業者になる」などと暴言を社内で連発。別の日には他の社員に向けて、「世界バカ大会。正真正銘のバカ」と誹謗する始末であった。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。