前川氏、住田氏が語った指摘とは……
本日おこなわれた参院予算委員会の集中審議で、案の定、安倍自民党は財務省にすべての責任を押し付けようと躍起になった。質疑に立った和田政宗議員は安倍首相などのリーダーシップが改ざんの真相究明につながっているという意味がさっぱりわからない安倍首相擁護を展開。挙げ句、和田議員は、「太田理財局長は民主党政権時代の野田総理の秘書官も務めている。増税派だからアベノミクスを潰すために、安倍政権を貶めるために意図的にヘンな答弁をしているのではないか」という陰謀論を展開し、財務省の太田充理財局長が「それはいくらなんでも、いくらなんでも」と声を荒げて否定する場面もあった。
文書には安倍昭恵という名前がしっかり書き込まれていたのに、それを削除していた。もはや文書の改ざんが「誰の立場を守るために」おこなわれたのかは明々白々だが、安倍自民党は佐川宣寿・前理財局長と財務省の犯行に責任転嫁をはかろうと必死。この安倍政権のグロテスクな態度には、ネット上でも「佐川さんと太田さんがかわいそう」という同情の声が上がりつつある。
本サイトでは何度も言及してきたが、一介の理財局長が、自分の答弁との整合性をとるために、約300箇所にもおよぶ公文書の改ざんを実行するという大規模な国家的犯罪を犯すことなど考えられない。さらに、総理大臣が絡む案件で官邸と相談なしに独断で答弁することもありえない。
そして、これは実際に官僚として政府答弁にかかわった経験者たちが声を揃えていることでもある。
これは、たんに官僚心理という曖昧な話ではなく、そもそも仕組みとしてありえない。実際に官僚として政府答弁にかかわった経験者たちが、そう声を揃えているのだ。
たとえば、今朝放送された『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)では、法務相の事務担当秘書官の経験がある住田裕子弁護士が、非常に重要な指摘をおこなった。
「私、大臣秘書官として総理答弁のときにも関係していた秘書官だったんですけども、総理大臣が出席されるときは、すべて調整しますので、勝手に事務局とか理財局とか原局(=行政事務を司る各局)だけが独走することはあり得ない。そして総理答弁の場合には、かならず本省であれば、官房の文書課や法務省の場合は秘書課が関係して、総理のほうのところと連絡調整する。総理の秘書官がそこらへんをある程度、ちゃんと采配してらっしゃるはず」
「少なくとも総理秘書官、総理補佐官あたりの総理周辺の事務方にはちゃんと情報があがっている」
「いかにも『下だけが独走しました、暴走しました』って言い方、『勝手に忖度したからやったんです』という言い方自体が非常に実状にはそぐわないと思います」