小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

佐川国税庁長官クビ切りで幕引き許すな! 問題の核心にいるのは安倍首相と昭恵夫人だ! 官邸の関与を徹底追及せよ

昨年3月、国会で答弁する佐川氏(参議院インターネット審議中継より)


 佐川宣寿国税庁長官が辞任──。毎日新聞の追撃に朝日新聞の続報、そして近畿財務局の担当部署職員の自殺を受けて、安倍政権がついに佐川切りに動いたのだ。

 しかし、佐川氏の辞任は遅すぎるくらいだ。「破棄した」と言い張っていた文書は出てくるわ、「契約手続きの前に土地の鑑定価格等を示した事実はない」という強弁も音声データによって嘘だと発覚。この虚偽答弁だけでも辞任に値するものだが、にもかかわらず、国税庁長官に“昇進”させた上、国会招致を求める声も無視し、「適材適所だ」などと佐川氏を評価してきたのは、もちろん安倍首相である。

 その安倍首相が佐川切りに動いたのは、やはり今朝の朝日新聞の続報と、近畿財務局職員の自殺が影響しているのは間違いない。

 今朝の朝日新聞の記事では、改ざんがおこなわれた決裁文書の「調書」では、「貸付契約までの経緯」という項目が改ざん後はまるまるなくなっていた。そして、その項目には、森友側からの要望について近畿財務局が〈本省理財局に相談した〉と記載されていたり、森友との貸付契約が〈特例的な内容となる〉ことについて、〈理財局長の承認を得て処理を行う〉と記し、2015年4月30日付で承認を得たと書かれていたという。

 森友との「特例」契約は、近畿財務局内だけではなく本省の理財局長の承認を得ていた。つまり、財務省も「特例」を認めていたのだ。

 しかし、傷を小さくしたい政府は、近畿財務局に責任を押し付けるかたちで収束をはかろうと画策し、改ざんがおこなわれた昨年2月の責任者である美並義人・近畿財務局長の首切りを検討していたと伝えられている。

 また、昨晩には、土地取引がおこなわれていた当時の近畿財務局長である武内良樹・財務省国際局長が官邸に出向いており、ここできょう報じられた近畿財務局職員が自殺したことの対応を協議したと思われる。口裏合わせをおこない、担当者に責任を被せるシナリオを描いたという可能性もあった。

 だが、この職員は遺書を遺しており、そこには改ざんのことが書かれていたともいわれ、この遺書について近畿財務局は遺族に「口外しないように」と口封じしたとも伝えられている。さらには、改ざん前の決裁文書が自宅から見つかったという情報まである。

 こうしたことから、近畿財務局に責任を押し付けると世論の反発を受けることを想定し、批判の矛先を向けられてきた佐川国税庁長官を切ることで幕引きしようと判断したとみられる。

 しかし、佐川国税庁長官の辞任は遅すぎる上、当然の話であって、佐川氏のような事務方の首を切ったところで、何も終わらない。

 改ざん問題以前に、毎日新聞の報道であきらかになったように、財務省は森友との土地取引を「特殊」「特例」であると認め、不当な値引きをおこなって契約を結んでいたことは明白な事実だ。

 いくら籠池夫妻が押しの強いタイプとはいえ、たんなる学校法人が受けられる優遇措置ではない。森友の何が「特殊」「特例」だったのか。そうして考えていけば、名誉校長まで務めていた総理大臣の妻・昭恵夫人に行き着くのである。

 佐川氏の首をはねてトカゲの尻尾切りをしても、森友問題は幕引きできない。昭恵夫人の証人喚問は無論、なにより昭恵夫人の関与が引き出した「特例」「特殊」という案件を表沙汰にしないために公文書改ざんの指示を出したであろう官邸の関与を追及すること。これがなされなければ、まったく意味はないのだ。

最終更新:2018.03.09 07:23

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。