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平昌バッシング、韓国ヘイトが止まらない! 浅田真央ブームとネトウヨ、ヘイト増殖の意外な相関関係を検証

 古谷経衡のルポ『フジテレビデモに行ってみた!』(青林堂)には、デモ参加のきっかけについて問われた30代の女性参加者のこんな証言が掲載されている。

「そもそもこういった問題への関心のきっかけは、「浅田真央、キム・ヨナ」報道でした。2ちゃんねるのスケート板を覗くようになり、韓国側から浅田選手への嫌がらせが行われている、という情報を耳にしました。当時のスケート板は浅田、キム・ヨナに関連して、日韓問題についての数多くの情報が書き込まれていて、「日本は戦前の朝鮮半島統治時代にこれだけのよいことをした」とか、逆に韓国が「終戦直後の朝鮮進駐軍による犯罪、竹島問題での韓国の横暴、李承晩ラインで日本に対して行ったこと(拿捕・銃撃)などに初めて触れたことで、日本の周辺国が日本に対して非常に脅威で、また敵対心を持っているということを知りました。それ以前は、単純に「日本は韓国に悪いことをした、謝らなければ」という自虐史観の持ち主だったのです。そうしているうちに、尖閣諸島漁船衝突事件が起こり、中国の現実的な脅威が明らかになりました。いても立ってもいられなくなり、初めてデモに参加したのが頑張れ日本主催第一回尖閣デモです。」

 真央・ヨナ報道に疑問をもったことをきっかけに、浅田真央が韓国に嫌がらせされていると思い込み、朝鮮進駐軍、竹島問題、李承晩ライン……と嫌韓に目覚め、はてはフィギュアどころか韓国も関係ない尖閣デモに参加するにいたる。この女性はフジテレビデモ、尖閣デモのほか、花王デモにも参加経験があるという。

 古谷のルポには、もうひとり別の30代女性がやはり転倒パネル事件がすべてのきっかけだったと述懐するこんな証言も掲載されている。

「これは本当に異常な映像でした。私は当時、特に政治思想は右でも左でもない、子育てをしていた普通の一般人でしたが、身の毛もよだつ感覚に襲われました。どんなに好意的に解釈しても、この日の朝のフジテレビは異常だったからです。私は情報をインターネットに求めました。たどり着いたのは、2ちゃんねるのスケート板でした。そこではさっそく、この日のフジテレビの真央ちゃんの生番組に対する罵詈雑言が書き連なっていました。もちろんそれはフジテレビに対する非難の声です。ここを覗いていると、日韓関係に関する歴史的事実の書き込みや、自虐史観などについての書き込みがあり、当時全くその手のことに不勉強だった私は、自然とそういった書き込みを熱心に読むようになっていました。不勉強というよりも、漠然と私は韓国に対して日本は悪いことをしたんだと思っていたくらいでしたから。これが、私がいわゆる保守派になったそもそもの発端です」

 要するに、いずれも浅田真央報道をきっかけに、ネットの嫌韓情報に触れ、ネトウヨ思想に染まったというのだ。2ちゃんねるとはいえ、スケート板にまで韓国ヘイトがあふれていたというのは、当時のネット言論空間の醜悪さが思い知らされる。

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