番組では、小学校・中学校・高校の教師が集まった「“安全な組み体操”講習会」の模様を取材していたが、そのなかで3段ピラミッドに挑戦した教師たちは疲労の色を隠せず、「これが4段になるとどうなるか想像できますか?」との講師の質問に対し、中年男性の教師は息も絶え絶えに「無理」と語った。たかだか3段程度で自分には無理なものなのに、生徒には10段を強いているのだから狂っているというほかない。
また、驚くべきは、その講習を受けた感想として、また別の男性教師からこんなコメントが出ていたことだ。
「専門的なことをわからないまま指導している部分があったなということに気づいたので、きちんと理解したうえで教えていくことが事故の防止につながるんじゃないか」
組み体操による事故件数は11年度から15年度までの間は年間8000件前後を推移していたが、十分な安全確保を求めるスポーツ庁からの通知があった後の16年度は5200件あまりまで減った。とはいえ、それでもまだ5000件以上もあるのだ。また、自治体により組み体操をめぐる扱いにはばらつきがあり、東京都、奈良県、大阪市、福岡市、金沢市などのようにピラミッドやタワーを廃止したところもあれば、愛知県、名古屋市、神戸市、岡山市などのように段数制限を設けていまだに組み体操を残している地域もあると、番組では説明されている。
死亡事故が起こっているにもかかわらず、温存される組み体操。だが、子どもたちは、保守層の人々が感動で「うるうる」するためのマスターベーションの道具ではない。一刻も早く廃止されるべきだ。
(編集部)
最終更新:2018.02.07 08:09