新興宗教団体「龍神総宮社」の名を伏せ、貴乃花親方の豆まきの様子を報じた『スーパーJチャンネル』(3日放送 テレビ朝日)
相撲協会の理事選から丸一日たった2月3日の節分。全国各地の神社や寺では、例年どおり、力士や親方衆がこぞって豆まきをおこなった。それは、ワイドショーの煽りもむなしくたった2票で落選した貴乃花親方も同様で、部屋の力士を大勢引き連れて豆まきイベントに参加。自らも満面の笑顔で豆をまき、マスコミも一斉にその様子を報じた。
だが、問題はその場所だ。貴乃花親方が豆まきをおこなったのは、京都宇治市にある「龍神総宮社」。名前だけ見ると、普通の神社のような印象を受けるが、この神社、かなりオカルト臭のする新興宗教団体なのだ。
たとえば、同団体のHPをのぞいてみればいい。そこには「様々な奇跡が、ここ龍神総宮社では、いつも起きています。」「あなたも必ず救われます。」「神様とともに右肩上がりの会社経営の道を歩みましょう」などの煽り文句のもと、「ガンが消えた!大学病院もびっくり」「奇跡!! 大津波が庭の直前で止まった 神様ありがとうございました」といった信者の怪しげな奇跡体験がいくつも掲載されている。
また、現祭主(代表)の辻本公俊氏は2006年に著書を出版しているのだが、タイトルは『2012人類の終焉~太陽からの啓示』(ブックマン社)。目次にも「人類のルーツは、縄文日本人だ」に始まり、「神武天皇は、古代イスラエルの神官王の子孫だった」という日ユ同祖説、さらに「太陽系がフォトン・ベルトに包み込まれたとき、何が起きるのか?」「金星が光り輝き、消える時に地球に恐ろしいことが起きる」「地球の双子星『クラリオン』の出現」と、クラクラするような文言がずらりと並んでいる。
そして、「天変地異から人類を救うには、どうすればよいのか」と題された最後の項目には「神様に対する「感謝の心」と、「祈りの心」で、地球の調和を取り戻す」というなんとも安易な結論……。とにかく、オカルト雑誌やニューエイジ運動でさんざん語られてきた例の“2012年に人類は滅亡する”という説を使って、宗教に勧誘しようというのがミエミエの本なのだ。
加えて、同書には「南京虐殺はなかった」「教育勅語は世界で高い評価を受けた」などという、極右歴史修正主義的主張までちりばめられているのだから、始末におえない。いったい、龍神総宮社とはどういう宗教なのか。