手登根氏といえば、2015年に「基地反対派がハーフ女児を暴行した」という八重山日報が報じたデマ記事の発信源となった人物(詳しくは過去記事参照)。先日、南城市長選で落選した古謝景春氏が流した「基地反対派の言動によって海保職員2人が自殺した」というデマを拡散させたり、また、BPOが「重大な放送倫理違反があった」と判断した『ニュース女子』(DHCテレビ)の沖縄デマ回にも証言者として登場。「普天間基地の周辺で見つかった茶封筒」のカラーコピーを見せ、番組は「反対派は日当を貰ってる!?」などと煽った。手登根氏の番組内での証言はあきらかに日当デマを主張するものであり、過去にも日当デマを吹聴してきた事実もあるのだが、手登根氏はBPOの聞き取り調査で「茶封筒の中身は交通費だと思っており、自分は反対派が手当をもらっていると言ったことはない」などと言い訳している。
そして、この手登根氏が、産経が記事にする6日前の12月3日、ツイッター上にこのような投稿をおこなっていた。
〈金曜日に沖縄自動車道で起きた大事故において事故に遭った方を救出中の海兵隊員が後続車にはねられ重体となっています。この勇敢なる彼とご家族のために 一刻も早い回復を願い共に祈って頂けませんか。彼の名前は、Hector Trujillo さんです。〉
この手登根氏の投稿には、病院で治療を受けているトルヒーヨ曹長と思われる男性の写真も付けられている。じつはこの写真は妻マリアさんがFacebookに投稿したものと同一だった。琉球新報の取材で海兵隊は「事故に関わった人から誤った情報が寄せられた結果(誤りが)起こった」と説明しているが、事故後まもないこの時点では情報が錯綜していたのだろう。
だからこそ、琉球新報は裏付けがとれないままでは記事にできないと判断したわけだが、産経の高木那覇支局長は県警に裏取りもせず、家族と米第三海兵遠征軍の担当官の証言だけで事実と断定したのだ。
しかも、高木支局長は、手登根氏のツイートを最初の「元ネタ」にした可能性が高い。というのも、高木支局長は、つい先日も手登根氏と同様に沖縄デマ発信源となっている人物の主張に基づいて記事を書き、配信した“前科”があるからだ。