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横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」29

米軍ヘリ事故直後の沖縄・南城市長選で“オール沖縄”が勝利! 名護市長選や日米地位協定改定論議、さらに改憲に楔を!

 翁長知事は野党議員団に対して「(安倍首相の言う)戦後レジームからの脱却ではなく、完結だ」「日米地位協定が問題」とも指摘した。事故原因究明なき米軍ヘリ飛行再開は、日本が70年以上経った今も占領国状態である現実を突きつけるものだが、この翁長知事の問題提起を野党は受け止めて、自衛隊明記の憲法改正で事足りようとする安倍首相に論戦を挑もうとしている。

 知事面談後の囲み取材で「日米地位協定改訂を通常国会で取り上げるのか」と聞くと、立憲民主党の本多衆院議員から前向きの答えが返ってきた。

「各党代表クラスもそういう発言をしていますので、各党それぞれの立場で地位協定には問題意識を持っている」

 そこで、「戦後レジームの完結」という知事発言を紹介した上で「憲法改正の前に日米地位協定を見直すのが先決ではないか」と質問をすると、これに対しては希望の党の渡辺・元防衛副大臣がこう答えた。

「『(今ほど)日米関係が緊密だった時代はない』と得意げに(自民党は)言っているが、だったらいつまでも隷属的な主従関係を続けるのか。(ヘリ事故の詳細について)日本側から聞かないと米軍は答えない体制を変えないといけない。米軍に申入れをするだけなく、定期的に途中経過や原因の説明を受ける仕組みを作らないといけない。形だけの申入れで終わって状況は改善しない。親密な日米首脳関係と言うのなら『対等な関係にしましょう』と言うべき。『戦後レジームの脱却』というのなら、日米地位協定改定で仕組みを変えないとおかしい」

 “アベ友ファースト5大疑惑”(森友・加計・準強姦・スパコン・リニア)に加えて、通常国会で与野党激突の政治課題がもう一つ増えた。沖縄ヘリ事故問題を重く受け止めた野党が翁長知事ら“オール沖縄”と連携しながら、事故原因究明なき飛行再開にNOと言えない安倍政権を徹底追及、日米地位協定改定の論議も挑んでいく。その結果、「占領国(下僕)状態脱却の野党VS自衛隊明記の9条改憲で戦後レジーム完結の対米追随の安倍自民党」「安倍政権(首相)VSオール沖縄・野党連合」という対決の構図が可視化される。名護市長選に影響を与えるだけでなく、安倍首相主導の憲法9条改正(改悪)に対抗する代替案として、「日米地位協定改定なき改憲論議はありえない」が野党結集の新たな旗印となる可能性も出てきた。

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