伊計島は日常的に米軍のヘリが行き交う"通り道”なのだという。
「例えば、普天間基地から(訓練場の)浮原島上空に行く時にここを飛びます。それから辺野古、宜野座、やんばる、東村、いま問題になっている高江のヘリパットに飛んでいくのは、みんな伊計島を通っていくから。だから毎日のように飛んで行く"通り道"になっています。たまたま昨日(6日)は『このヘリコプターはこんな飛び方はないよ』と話をしていました。普段に比べてすごい低空飛行であったのと、機体がふらついてもいました。(新年会で)親戚の間でそういう話をしているうちに、『降りたよ』ということで、確認に行ったのです。(「今回の事故で米軍や防衛省に求めることは? 」との問いに)民家の上には飛んで欲しくない。1年前に農道にヘリが降りた時にも、自分たちは農家ではなくて漁民なのですが、いろいろ話をしました。伊計島には伝統漁法があるわけよ。リーフの上に立って小さい船に網を乗せて、魚が上ってくるタイミングを見て網で巻く。しかしヘリが飛ぶと、せっかく上ってくる魚が音で逃げてしまうのです。だから農家だけでなく、漁民も迷惑、被害を被っています。特に最近は低空飛行がすごいです。辺野古が決まる前は、かなりの高さで飛んでいたのですが、今はヘリの下側がはっきり見えるくらいです。これも辺野古新基地に絡んでいるのではないか」
伊計島に不時着したヘリは、同じ普天間基地所属のUH1ヘリコプターだが、こちらは自力での離陸不可と判断されてローターなどが分解、運び出された。そして軽量化した本体は8日午前、釣り上げ撤去が行われた。
いずれの不時着も応急措置はすぐに行われたが、原因調査内容や再発防止策については発表されず、運行停止がされる兆しも全くない。翁長雄志知事が9日、「県民が日常的に危険にさらされている。日本政府は当事者能力がなく、恥ずかしさを感じてもらいたい」と怒りを爆発されたのは当然のことだ。
他にも沖縄では在日米軍の事故が相次いでいる。2016年12月には名護市でオスプレイが墜落(メディアは不時着、着水と表現)、翌1月、AH1が伊計島に緊急着陸、6月久米島にCH53Eヘリ緊急着陸、さらにオスプレイが6月に伊江島、9月に石垣島に緊急着陸、10月には高江にCH53 Eヘリが不時着炎上、12月には普天間基地近くの保育園の屋根にプラスチック製のCH53Eの装置カバーが落下、その直後には普天間第二小学校のグラウンドに、大型輸送ヘリCH53E の1メートル四方のコックピット窓枠が落下した。
戦後70年以上経った今も続く占領国状態の中で危険にさらされる沖縄県民――米国に物が言えない安倍政権の属国的対応はいつまで続くのだろうか。
(横田 一)
最終更新:2018.01.10 11:46