伊計島の不時着現場(撮影・横田一)
沖縄有数の観光地である読谷村のホテルから僅か400メートルの一般廃棄物最終処分場内の芝生に8日、普天間基地所属の米軍ヘリAH1が不時着した。伊計島に同じく普天間のUH1Yヘリコプターが不時着したたった2日後だ。
この日、18時すぎに地元紙の速報「ヘリ、また不時着 読谷村儀間」が出た直後、筆者は那覇市内から現地に駆けた。そこでは沖縄県警と米軍の規制線を隔てて白いジャンバー姿の警察官と報道関係者が対峙していた。すぐ脇には「ホテル日航アリビラ」の入口を示す立看板。
若い警察官に「機体を分解しているのか。修理して飛びたてる状況なのか」と尋ねても「自分はここにいるだけなので全く分かりません」と困惑した表情。事故原因を調べる権限があるのは米軍だけで、沖縄県警は不時着機に近づくのを阻止する下請け機関にすぎない。
道路脇では第一通報者の農家の儀間恭昇さんが囲み取材を受けていた。
「農作業を終えて振り返ると、ヘリがいつもよりも低空で来ていた。そのうち見えなくなって落ちたと思った」と不時着当時の様子を説明。2日前の6日にはうるま市伊計島でヘリが不時着したばかりであることについては、「またかという感じ。米軍は日本の法律を超えた存在で何をやっても許される。菅官房長官は『日本は法治国家』と言って辺野古新基地建設を強行しているが、本当に法治国家なら住民を危険にさらす低空飛行を禁止すべきだ」と語気を荒げた。
同じ普天間飛行場所属のUH1Yヘリが伊計島に不時着、8日午前中につり上げ撤去が行われた直後であったため、怒りを露わにするのはごく自然に感じられた。
規制線周辺に報道陣が殺到していたので覗いてみると、共産党の赤嶺政賢衆院議員(沖縄1区)や瀬長美佐緒県会議員や伊佐真武読谷村議ら地元議員が現地調査を求めて沖縄県警と押し問答中。赤嶺氏は伊江島のヘリ不時着現場にも急行、筆者は近隣住民ヒアリングに同行取材させてもらっていたため、「不時着が相次ぎますね」と声をかけると、「米軍ヘリの全機種点検と安全確認がされるまでの運行停止をするべきです。通常国会でも日米地位協定見直しの論議を開始する必要がある」と強調した。