村本「いいですか。一瞬だけみなさんの大事な時間を借ります。どうしても気になるから。その『違憲』っていうのは何が違憲なんですか。すみません、そのレベルからちょっと」
三浦「自衛隊が? 自衛隊が違憲なのは……」
井上「君、9条2項の文章読んだことがあるの?」
村本「読んだことがない、だから聞いている」
田原「読めよちゃんと!」
井上「少し自分の無知を恥じなさい」
村本「視聴者の代弁者だから! テレビはそうなんですよ!」
井上「陸海空その他一切の戦力はこれを保有しない。交戦権は行使しない」
村本「井上さん、これテレビですよ。これは若い人からお年寄りまで見てるわけですよ。だから1から10まで聞く必要があるんですよ」
三浦「村本さんの質問は、なんで自衛隊が軍じゃないかってことなの?」
村本「僕は武器は持たなくていいと思ってる」
三浦「2項を守れよってことでしょ?」
村本「うん。だって戦後72年、このままでよかったわけでしょ」
三浦「村本さんは、これ(2項)をそのまま守れよって言ってるわけ」
井上「いや、最初の話は自衛隊がなぜ違憲なんですかってことでしょ?」
村本「戦後70年ここまできてたのに」
井上「政府はずっと自衛隊は違憲じゃないって言ってきたし、護憲派も最近の修正主義的護憲派は専守防衛、個別的自衛権の枠だったら合憲だと言い始めた。でもこれは明らかに明文に反するわけね。自衛隊は予算規模で言えば世界で4位か5位の軍隊ですよ。イージス艦も持ってる、ファントムも持ってるわけですよ。これを戦力じゃないっていうのは本当は難しいんですよ。それが、仮にそうだとしても、日米安保のもとで、世界最高の戦力である米軍と一緒に沖縄の防衛はね、交戦権の行使じゃないってこれは嘘でしょ」
村本「でも僕はそれ、戦力を放棄した方がいいかなと思うんです」
井上「それなら正しい。ただし、日本では護憲派も含めて、自衛隊を全部廃棄しろなんて言う人はいない、もう」
田原「放棄するってことは非武装中立にするってこと?」
村本「はい。ぼくはそっちです。非武装中立について教えてもらいたいです」
ここでいったんCMに入る。やり取りをちゃんとみれば瞭然だが、村本は9条2項を「読んだことがない」と一度言っておきながら、すぐに「僕は武器は持たなくていいと思ってる」「戦力を放棄した方がいい」「僕はそっち(非武装中立)です」と表明している。
つまり、場が“自衛隊が違憲となる9条をいかに改憲するか”という話題で持ちきりのなか、村本は果敢に、「非武装中立」という憲法9条の自然な解釈を明言し、戦後日本はその憲法のもとにこれまで殺すことも殺されることもなかったと肯定したのだ。井上がわざわざ引用(やや文言は違うが)しているように、9条2項目は戦力不保持と交戦権否認を謳っており、簡単に言えば「武器は持ちません。武力を交わらせることは認めません」という宣言である。