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再放送でも話題『逃げ恥』はなぜ響いたのか? 星野源と作者・海野つなみが語っていたその理由

TBS『逃げるは恥だが役に立つ』番組ページより


 大晦日より連続放送されている『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)の再放送。今日は9話から最終回である11話まで放送される(一部地域除く)。

 昨日はツイッターでも『逃げ恥』に関するワードが次々とトレンド入りし、放送から1年近くの時が過ぎても、いまだに衰えないこのドラマの人気が改めて浮き彫りになった。

 しかし、『逃げ恥』はなぜそこまで視聴者の心に響いたのだろうか?

 大ブームとなった「恋ダンス」の影響もあるだろうし、「ムズキュン」とも呼ばれた主人公二人の微笑ましい恋模様の力もあっただろう。しかし、なによりも重要だったのは、社会が保守化し、「家族のあり方」に対しても窮屈な言論状況になるなか、見事にそのカウンターを示したからではないだろうか。

 また、この作品がカウンターを示したのは家族に関する問題だけではない。「多様性」に関わる問題もそうだ。

『逃げ恥』の登場人物たちは、オタクだったりゲイだったり毒女だったりプレイボーイだったりと、これまでの映画やドラマではステレオタイプな描き方をされてきたキャラクターが多い。

 しかし、『逃げ恥』はそのようなキャラクターをステレオタイプな物の見方に当てはめず、「その人」自身の個性や多様な側面も丁寧に描いてきた。

 本サイトでは、ドラマが放送されていた当時、主演の星野源や原作漫画家の海野つなみの発言を紐解きながら、作品が伝えるリベラルな思想について分析した記事を配信している。ここに再録するので、是非読んで『逃げ恥』の物語をより深く味わってほしい。
(編集部)

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 ついに今夜最終回を迎える『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)。今月6日に放送された第9話の総合視聴率(リアルタイムの視聴だけでなく、レコーダーによる録画再生も反映させた視聴率)は30%台に届くなど、人気も評判も日を追うごとに高くなっている。

『逃げ恥』がこれだけの人気作品となった要素は色々あるだろう。「ムズキュン」とも称される津崎平匡(星野源)と森山みくり(新垣結衣)の不器用すぎる恋愛模様はもちろん、「結婚」というシステムをめぐって2人が会社の人間関係や家族との関係に悩みながら前に進んでいくストーリーも極めて現代的なテーマである。

 なかでも先週放送の10話では、会社の人員整理に巻き込まれ近々職を失う予定の平匡が、本当に結婚すれば家事代行のための経費がかからず貯蓄に回すことができると無神経なプロポーズをしたのに対し、みくりが「愛情の搾取に断固反対します!」と宣言して求婚を拒否したラストシーンが話題となった。

 みくりは家事労働を「仕事」として引き受け平匡に雇用されてきたのに、お互いが恋愛関係になった途端、平匡は家事を無償労働として提案した──。つまり愛情で結ばれた関係であるならば見返りなど求めず家族のために尽くすのは女性として当たり前、という社会で“常識”とされている価値観を、みくりは愛情を盾にした「搾取」だと批判したのだ。

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