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「明石家紅白」で共演! 明石家さんまと大竹しのぶ元夫婦に共通する「戦争」と「弱者切り捨て」への怒り

 さんまは、同年9月4日に東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会の竹田恒和理事長がブエノスアイレスでの会見で語った、まるで福島を切り離すかのようなこの暴言に対し、「『チーム日本です!』とか言うて、『福島から250(キロ)離れてます』とか言うのは、どうも納得しないコメントやよね、あれは」と不信感を隠さない。そして、安倍首相はじめオリンピック招致に躍起になる人びとから「お荷物」扱いを受けていた福島に、こう思いを寄せた。

「福島の漁師の人にインタビューしてはったんですけど、『7年後のことは考えてられへん』と、『俺ら明日のことを考えるのに精一杯や』って言わはったコメントが、すごい重かったですよね。だから、あんまり浮かれて喜ぶのもどうかと思いますけどもね」

 メディアも含め、日本中がお祭り騒ぎになるなか、それに冷や水をかけるようなこの発言は、ともすれば「非国民」と炎上しかねない。しかし、それでも言うべきことは言うのである。

 それは、大竹しのぶも同じだ。彼女もさんまと同じく、被災地を見捨てるかのような対応をとりながらオリンピックに熱狂しようとしている風潮に異議を唱えている。

 大竹しのぶはエッセイ集『わたし、還暦?』(朝日新聞出版)のなかで、〈福島で被曝した森や畑。誰もいなくなった土地で歩き回るたくさんの野生の動物たち。その一方で、東京ではオリンピックの準備が着々と(でもなさそうだが)進められている。除染作業で必死になっている人たち。その一方で再稼働した原発。この国は、一体どこへ向かおうとしているのか〉と綴り、東日本大震災で得たはずの教訓すら震災後わずか数年で放り投げようとする政権に怒りを滲ませた。

 また、本稿冒頭でご紹介した通り、さんまは税務署にまで出向いて「人殺しのアシストしたくて働いてるんじゃない」と文句を言いに行っているが、そんな行動的な部分も実は二人はよく似ている。

 国民の反対を押し切り安保法制を強行採決させた2年前。SEALDsをはじめ、国会前で連日のように繰り広げられた反対デモに、実は彼女も参加していた。前掲『わたし、還暦?』では、そのときのことがこのように書かれている。

〈私も数日前の夕方、国会前での集会に参加し、何人かの人のお話を聞いた。大勢の叫んでいる人の、その正面には、国会がライトを浴びて立ちはだかっていた。
 お話をしている中の一人に、牧師さんがいらっしゃった。彼は、聖書の言葉を引用して話された。「平和を作りし者は幸いです、平和とは祈るだけではない、作るものなのだ」と。
 この声を、想いを、安倍首相はどのように思っているのか〉

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