首相官邸HPより
国会では森友学園問題の追及がおこなわれているが、一向に全容解明にはほど遠い状態がつづいている。その原因は、無論すべて安倍首相にある。なにせ、「契約は適切」と答弁してきたことを、この期に及んで「私が調べて『適切』と申し上げたことはない」と宣い責任を官僚に押し付けた挙げ句、会計検査院の報告を受けても安倍首相はけっして再調査するとは言わないからだ。
しかも、4日の参院本会議では、安倍首相は佐川宣寿・前財務省理財局長を国税庁長官に抜擢した人事について問われ、こう答えた。
「それぞれのポストにもっともふさわしい人材を適材適所で配置する、という考え方に基づいておこなった」
佐川氏の国税庁長官のポストは適材適所──。つまり、確定申告や税務調査で「記録は破棄した」「記憶に残っていない」「適切に処理した」と言っても絶対に通用しないのに、国税庁長官のソレは許される、というわけだ。納税者をバカにするにも程がある。
そもそも、財務省も認めた土地取引にかんする交渉記録の音声データを聞けば、3月15日の衆院財務金融委員会における佐川前理財局長の「価格につきまして、こちらから提示したことも先方からいくらで買いたいといった希望があったこともございません」という答弁が虚偽だったことは、明々白々の事実だ。
いや、佐川前理財局長はこの答弁のみならず、ずっと嘘ばかりつきつづけていた。
たとえば、森友学園問題が最初に国会で取り上げられた2月15日の衆院財務金融委員会から、佐川前理財局長はゴミの撤去費用について「適正に算定されたもの」と強弁。さらに、2月24日の衆院予算委員会でも「近畿財務局から学園側に対して法令等に基づく契約手続きの前に土地の鑑定価格等を示した事実はございません」と言い切った。