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ブラック企業大賞はどこだ? 社員にヘイト攻撃のアリさんマークの引越社、長時間労働強いるヤマト運輸、NHK、パナソニック…

 また、本稿でもうひとつ注目したい企業が、引越社グループ(アリさんマークの引越社)だ。この企業は2015年のブラック企業大賞でもノミネートされており、そのときは「WEB投票賞」と「アリ得ないで賞」に選出されている(大賞はセブン-イレブン・ジャパン)。こちらは、長時間労働や残業代未払いはもちろん、労働組合に加入した社員を閑職に追いやったり懲戒解雇処分を行ったうえ、「北朝鮮人は帰れ」などとヘイト攻撃まで行っていたことが明らかになっている。

 アリさんマークの引越社は、引越し作業中の荷物破損や車両事故の損害を社員に弁償させるというとんでもない制度を社員に強いていた。弁償金分の借金を背負わされ、毎月給与から弁償金を天引きされ、辞めるに辞められない状況に追い込まれている社員もいる。

 そういった状況に疑問を抱いたことから、同社の弁償金制度に抗議していた組合・プレカリアートユニオンに加入し、弁償金の返還や弁償金制度の廃止を求めて団体交渉を行ったA氏。彼はそういった活動を始めたことをきっかけに会社側から度重なる言いがかりを突きつけられ、それまで配属されていた営業部から、アポイント部へ、そして、最終的にはシュレッダー係という閑職へ追いやられていく。

 特に、シュレッダー係に配置されてからは、オレンジ色の長袖シャツの着用を命じられ、他の社員への見せしめにされたという。労働組合への加入を理由に配置転換をすることは労働組合法違反だが、アリさんマークの引越社の法律無視はこれだけではない。この不当な配転に対し、A氏は東京都労働委員会に不当労働行為救済申立てを行うとともに、東京地方裁判所に配転無効の訴えを起こしたのだが、会社はなんと、訴訟を起こしたことで懲戒解雇処分を通知したのだ。

 しかもこの際、アリさんマークの引越社はA氏の氏名と顔写真を大きく載せて懲戒解雇したことを知らせる紙を全支店に貼り出し、全社員に送付。そこには、「罪状」というタイトルで解雇理由が書かれており、「懲戒解雇されたら、一生を棒にふることになりますよ。」と脅すような文言まで掲載されていた。

 これに対してA氏は解雇無効、地位保全の仮処分を申し立てる。すると、アリさんマークの引越社は勝ち目がないことを知ってか、即座に解雇を撤回。A氏の復職を認めたのだが、復職したA氏を待っていたのは、信じられない処遇だった。

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