内閣府公式HPより
安倍内閣の前沖縄北方担当大臣・鶴保庸介参院議員が、辺野古新基地建設をめぐって、工事関連事業への参入を計画していた民間業者と癒着関係にあり、鶴保氏の後援会会長が業者から1000万円超の“裏金”を受け取っていたことが発覚した。「しんぶん赤旗日曜版」11月19日号のスクープだ。
記事によれば、鶴保前沖縄担当相は鹿児島県の採掘業者A社の代表らと少なくとも11回面会。在任中も大臣室で7回会っており、赤旗日曜版の一面には大臣椅子に座るA社代表とその後ろに立つ鶴保氏のツーショット写真がすっぱ抜かれている。ほかにも、記事ではA社代表の激白や鶴保氏らとのメールのやり取りなどが赤裸々に明かされており、報道の確度は極めて高い。
鶴保前沖縄担当相と業者との“新基地利権”をめぐる癒着とカネの構図はこうだ。A社代表は、出資者である神奈川県のB社とともに、鹿児島県内の採石場の石を辺野古埋め立て工事などに納入する計画を立てていた。そうしたなか、2015年11月、鶴保氏の後援会「関西千年会」の会長と出会う。すると後援会長は「1回動いたら10万円」「鶴保と会うにはお金が必要」などと言って、“顧問料”の名目や鶴保氏に渡す“面会料”として金銭を要求。業者側が差し出したカネは1000万円を超え、高級車も無償貸与したという。A社代表は赤旗日曜版に対しそのディティールをこのように証言している。
「昨年は会うたび10万円で、平均月50万円程度支払った。後援会長が『鶴保が大臣になって忙しい。月100万円出す業者もいる』と求めてきたので、今年1月から7月は定額で月80万円払った」
「ATM(現金自動支払機)でおろした現金を封筒に入れ議員会館の駐車場の車中で後援会長に手渡すことが多かった。会長が『お金は向きをそろえなくちゃ』と1万円を並び替えたこともある」
「後援会長は『先に(金を)渡すと鶴保の機嫌がいいからさ』と言って、現金の入った封筒を持ち、先に一人で大臣室に入った」
さらに鶴保氏本人も、この業者らから六本木の高級飲食店やクラブ、ガールズバーで接待を受けながら、防衛省への照会やA社代表らを自民党の森山裕衆院議員に紹介するなどの働きかけを行っていたという。誰がどう見ても事業利権の絡んだ“口利き”が疑われる図式だ。