たとえば、昨年2月の衆院予算委員会中央公聴会に公述人として出席した元検事の郷原信郎弁護士が与党に批判的な公述をおこなったことに対し、「専門家ではなく政治家、政治屋だ」「売名行為だ」などと暴言を浴びせた。
また、同年4月7日や19日の衆院総務委では民進党批判をはじめ、「民進党はアホじゃないか。アホです。アホ」「こんな政党は日本の恥だ。アホ、バカ、どうしようもない」「私は国民の声として『民進党は死ね』と言っている」と発言。さらに、同月21日の同委でも、熊本地震の現地対策本部長だった松本文明内閣府副大臣が政府とのテレビ会議で自分への差し入れを要請していた問題を取り上げた高井崇志(当時・民進党、現・立憲民主党)議員を「アホだと思う。本当、アホ」「民進党は(地震対応の)足を引っ張っている。ふざけるなよ、お前らホンマに」と述べ、結果、維新から謹慎処分が言い渡された。
こうして、昨年だけで暴言を理由に4回も懲罰動議にかけられるという憲政史上初の記録を打ち立てた足立議員だが、本人は「関西ではアホは敬称だ。関西で最も尊敬されている方の一人に『アホの坂田』さんがいる。だからアホは敬称だ」と開き直っている。
しかし、足立議員の暴言は秘書にも向けられていた。2015年に足立議員は元私設秘書から残業代未払い約960万円の支払いのほか、「小選挙区で落ちたのはお前のせいだ」「アホ、殺すぞ」という暴言をはじめ、水をかけられるなどのパワハラを受けたとして裁判を起こされた。だが、足立議員はこの元秘書に対して、なんと衆院厚生労働委でも「政治家の事務所は残業代をきっちりと労働基準法に沿って払えるような態勢か。ふざけるなと思う」などと発言したのだ。
「殺すぞ」という脅迫発言のみならず、国会でも残業代未払いを当然のように語って、「ふざけるな」と罵倒する。とても政治家とは思えない振る舞いだ。
無論、本人には反省などまったくなく、むしろ、先日発売された著書『永田町アホばか列伝』(悟空出版)のなかでこう胸を張っている。
〈私は決心しました。もう迷わへん。アホを「アホ」と言って、バカを「バカ」と言って、何が悪いねん!「言うべきことは言わねばならぬ、批判を恐れず本音で勝負!」や〉