このレコード大賞買収疑惑とは他に、是非ともLDHのルールブック「LDH our promise」で説明を求めたいのが、体罰や過労死ラインを遥かに超える時間外勤務の常態化など、LDHのブラック企業体質に関わる問題である。
「週刊文春」16年7月21日号の特集記事「元社員4人が告発『EXILE事務所の体育会系イジメ』」によれば、社長のHIROの下で絶対的な上下関係が徹底されているとのことで、その一例として、会食で食べた量が多いというだけで副社長と専務が運転手の男を怒鳴りつけて道ばたで土下座をさせていたというイジメが紹介されている。LDHにとってこういった体育会系イジメは日常茶飯事とのことで、社員に買いに行かせたiPhoneケースが気に食わないというだけで自主退職に追い込んだり、腋が臭いと言いがかりをつけて(医師が必要ないと診断したのにも関わらず)手術を強要したり、「食べないとクビだ」と脅してラーメン10杯食べさせたり、丸坊主にさせたり、根性焼きを入れたりといった、まるでヤンキーのような振る舞いが公然と行われていたという。
こういったパワハラについては、「FLASH」(光文社)16年8月30日号の「EXILE 踊る350億円商法」という記事でも取り上げられており、コンサート後に行われる接待では、若手社員がレモンサワーのイッキ飲みを強要されていると書かれている。いまどきイッキ飲み強要なんて大学生の新歓飲みでも自粛されつつあるものだが、「LDH our promise」ではこのようなパワハラ問題についてどのように記されているのだろうか?
ちなみに、前述「週刊文春」16年7月21日号では、LDH社員の給与や就業時間の問題についても取り上げられている。基本給や業務手当などを合わせて手取りで20万円程度とのことだが、問題はその労働時間にある。
記事では、「労働時間は大体月に480時間ほど。時間外勤務は220時間にもなります。70時間分の残業代は月8万円の業務手当に含まれているのですが、それ以上の残業代は一切支払われません」と元社員が明かしている。時間外勤務220時間というのは、厚生労働省が定める時間外勤務の過労死ラインである月80時間をゆうに超える数字だ。
この問題についても「LDH our promise」ではどのように触れられているのか、気になるところだ。