さらに、この年の12月、SMAPの5人は揃って『NEWS23』(TBS)に生出演。そこで中居正広は「戦争だとか、いまそういう話がいろいろ出ていますけど、やっぱり人を殺しちゃいけないと、普通に考えてもつらいことだ、残念なことだって思います」と発言。また、同年の紅白歌合戦ではSMAPは初の大トリを務めたが、歌の前にはこんな言葉が発せられた。
木村「みなさん。目を閉じて2003年を思い出してください」
中居「今年、世界中でたくさんの尊い命が失われました」
稲垣「また、目を覆いたくなるようなことも、たくさんありました」
草なぎ「ぼくたちにいま、何ができるでしょうか」
香取「みんながみんな、すべての人にやさしくなれたら、きっと幸せな未来がやってくると、信じています」
その後、SMAPは2005年にもより反戦色を強めた「Triangle」を発表。2015年の戦後70年の節目には『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)で同曲を「終戦から70年…平和を願って…」というメッセージとともに熱唱している。
アイドルという枠に縛られず、バラエティだ報道だという枠をも越え、反戦を訴え平和を希求する。そうしたことができるからこそ、SMAPは国民的アイドルグループでありつづけたはずだ。
そして、いま。奇しくもアメリカと日本のリーダーは軍事行動をも辞さない態度を示し、敵対感情を煽っている。そんななかで、SMAPの3人が「ボーダーを超えよう」「平和と自由を愛そう」とメッセージを発したことは、これもまた、たんなる偶然だとは思えないのだ。
こんな時代の雰囲気のなかで、「自由と平和」の尊さをあらためて訴えるアイドル。あらためてSMAPの偉大さを感じるとともに、「奴隷」契約から解放され、個を縛り付けるものから「逃げ出した」勇気ある彼ら3人の前途が、古いしがらみにとらわれた芸能界に風穴を開ける、明るいものになることを願わずにはいられない。
(編集部)
最終更新:2019.04.09 05:12