長尾議員のデマ拡散のなかでもとくに酷いのは、沖縄に対するものだ。長尾議員は2015年に問題となった文化芸術懇話会で「(沖縄メディアは)左翼勢力に乗っ取られている」などと言い放った人物だが、Twitter上でもそうした主張を繰り返してきた。
たとえば2013年には〈オスプレイ反対運動の背景には、中国共産党が見え隠れします〉などという何の根拠もない投稿をおこなったほか、2014年には〈(基地反対運動に参加する高齢者は)彼等は仕事として運動をしており、日当・交通費も支給されています〉〈沖縄へ視察に行きますと、こういう裁判で勝ち得た賠償金が、プロ市民の活動資金に流れているという話しを、聞かずに日程を終えることはありません〉と、これまたネトウヨの定番となっている日当デマを流した。
ひとつひとつ潰していくと大変な分量になるので簡単に反論しておくと、中国共産党の謀略論については本サイトの過去記事「公安調査庁が沖縄の反基地世論を「中国の分断工作」とするネトウヨ並みデマ報告書! 組織維持目的で沖縄を利用か」【https://lite-ra.com/2016/12/post-2796.html】で反証している。また、「日当支給」についても、基地に反対する一部の市民団体が中心メンバー数人に行動費として月1万円を出したり、一部、食費を出すこともあるというが、参加者のほとんどは交通費も弁当代も自己負担しているのが実情だ(『これってホント!? 誤解だらけの沖縄基地』沖縄タイムス社編集局・編著/高文研)。結局、長尾議員は何の証拠も出さず、ネトウヨが流布する陰謀論デマを垂れ流し、拡散させることで沖縄の基地反対運動を貶めてきたのである。
しかし、うんざりするのは、このようなヘイトデマや歴史修正デマ、反対運動に対する不当なデマといった、デマのなかでも悪質極まりないものを平気な顔をして拡散させてきた自民党議員は、けっして長尾議員だけではない、ということだ。
なかでも、長尾議員と並ぶ“デマの常習犯”なのが、片山さつき参院議員だろう。
2014年に御嶽山が噴火した際には〈民主政権事業仕分けで常時監視の対象から御嶽山ははずれ〉たなどとツイートしたが、実際は御嶽山が観測強化対象から外れたのは麻生政権時だったことが判明し謝罪。だが、さらにひどかったのが、2012年に片山議員が国会で意気軒昂に取り上げたデマだ。片山議員は同年3月に開かれた参院総務委員会で、こんなことを言い出したのだ。
「NHKの音楽番組『MJ』では韓国人グループ・歌手の占有率が36%。これでは“ミュージックコリア”だ」