田原氏の狙いと安倍首相の今後の動向は?(画像は朝日新聞出版『安倍政権への遺言 首相、これだけは言いたい』より)
「政治生命を賭けた冒険をしないか」
ジャーナリストの田原総一朗が28日、官邸で安倍首相にこんな提案をしたことを明かし、話題になっている。この間までリベラルなポーズをとって政権批判をしていたと思ったら、突如、指南役として首相に接近する。まったく相変わらずのタヌキジジイぶりだが、問題は首相もその気になったという「政治生命を賭けた冒険」がいったい何だったのか、ということだ。
普通に考えれば、「解散総選挙」を迫ったとしか思えないが、マスコミの取材に応じた田原氏は、「そんな細かい問題じゃない」と否定。「そのうち分かる」と言い残しただけで、具体的内容には口をつぐんでいる。
しかし、田原氏に近い複数の関係者に取材してみると、彼らが口をそろえたのが「北朝鮮電撃訪問、金正恩委員長との首脳会談を提案したんじゃないか」という見方だ。
「田原さんは安倍首相に“金正恩委員長と会談をして、核ミサイル開発をストップするよう説得するつもりはないか、そうすれば、一気に支持率を回復させられる”という話をしたんじゃないかな。本人には確認したわけではないが、田原さんの普段の言動や前後の状況から考えてその可能性が一番高いと思う」(田原と親しい新聞記者)
また、別の関係者は、もし田原氏が北朝鮮訪問を提案したとしたら、なんの根拠もなく思いつきで言ったわけではないだろうという。
「田原さんはもともと朝鮮総連に取材ルートがある。そのルートから“安倍首相なら金正恩委員長が会談に応じる”という感触を得たんじゃないでしょうか。というか、最初は向こうからアプローチがあったんじゃないか。北朝鮮はいまは超強硬路線をとっているが、このままチキンレースを続けられるとも思っていないはず。裏では落とし所を模索していて、安倍首相に韓国、米国への橋渡し役を期待し、田原氏に話をもってきたのかもしれない」