安倍首相の北朝鮮訪問に現実性はあるか、障害となる極右支持勢力
そういえば、今回の安倍・田原会談は、まず、田原氏が政府関係者に提案をもちかけ、その関係者から報告を聞いた安倍首相が興味を持ち、田原氏を官邸に招いたと報道されている。もし、田原氏の提案が「金正恩が会談に応じる」という話なら、安倍首相のこの積極的な反応もうなずける。
というのも、世界のどの国の首脳とも会っていない金正恩と会談をし、核・ミサイル開発をストップさせ、拉致問題にも一定の回答を出させることができたら、起死回生どころか、支持率をV字回復させることも夢ではないからだ。
実際、これまで安倍首相を徹底的に批判してきた本サイトですら、それが実現できたら、安倍首相を評価するだろう。
しかし、ある程度の実現性があったとしても、安倍首相が本当にそんなことをやれるのか。なぜなら、安倍首相のコアな支持勢力は、北朝鮮との平和な対話路線など望んでおらず、むしろ、戦争の口実を探しているからだ。成功すればいいが、失敗したら、それこそ安倍首相は日本会議やネトウヨなどのもっとも強固な支持基盤からも総攻撃を受けることになるだろう。
まあ、だからこそ田原氏も「政治生命を賭けた冒険」と言ったのだろう。もし安倍首相が本当に国民のことを考えているというなら、日本会議やネトウヨを切り捨て、その「冒険」に乗って、東アジアの平和を実現してほしい。そのほうが憲法改正などよりはるかに意味のあることだろう。
(編集部)
最終更新:2017.12.06 04:51