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蓮舫会見で産経新聞がネトウヨのデマ「中国、台湾との三重国籍」疑惑をそのまま質問し大恥! ネットデマ拡散する産経のフェイク体質

 なんだろう、この産経記者のバカ丸出し質問は。そもそも、蓮舫代表も皮肉っていたように、中国(中華人民共和国)籍と台湾籍を一緒にもつなんてことはありえない(同じく中華人民共和国籍と日本籍も一緒にもつことは不可能である)。

 なぜなら、中華人民共和国では、中国の国籍を取った者は、他国の国籍を持ち続けることができないし、他国の国籍を有している者は、自動的に中国国籍を失ってしまうからだ。

 中国国籍法の第八条には中国の国籍を取得した者は外国の国籍を保有することができないとあり、また同九条には自らの意思によって外国の国籍を取得した者は自動的に中国国籍を失う、とある。また両親が中国籍でも、外国で出生し外国籍を取得した子どもに中国籍を認めないなど、日本以上に二重国籍に厳しい。

 台湾籍は国籍離脱を申請しないと手続きが取られないため、結果的に二重国籍状態になることはあるが、中華人民共和国の場合は、どこの国とも二重国籍になること自体が不可能なのだ。ましてや、中国がその存在を認めていない台湾も含めた三重国籍など認めるはずがないのは、中学生でもわかるだろう。

 ところが、産経記者は自分では何も調べようとせず、デマをそのまま蓮舫代表にぶつけたのだ。しかも、根拠にしているのは記者自らが明かしているように「ネットの情報」「ネットで言われてる真偽不確かな情報」というのだから、開いた口がふさがらない。

 たしかに「蓮舫が三重国籍」というデマは二重国籍問題が騒がれ始めた少し後から流れており、今年7月、蓮舫代表が戸籍などの資料を開示する姿勢を示した直後もネトウヨメディアやネトウヨのまとめサイトなどであらためて盛り上がっていた。しかし、彼らが根拠にしていたのは1993年3月に『ステーションEYE』(テレビ朝日)のキャスターに就任した蓮舫氏が「在日の中国籍の者としてアジアからの視点にこだわりたい」と語っている新聞の切り抜きのキャプチャー画像。

 つまり、自分で中国籍と語っているのだから、台湾でなく中国(中華人民共和国)にも国籍があったのは明らかだというのだが、これは日本の戸籍で台湾がどう扱われているかがまったくわかっていない、バカ丸出しの誤解だ。

 周知のように、日本政府は公式的には台湾を国とは認めておらず、そのため台湾出身者が日本人との結婚や養子縁組をする場合、または日本に帰化するなど、その身分に変動があった場合、日本の戸籍における国籍や出生地は「台湾」ではなく「中国」や「中国台湾省」と表記される(住民票や在留カードは地方自治体が取り扱っているため、数年前から「台湾」と表記できる自治体が多くなっているが、法務省が取り扱う戸籍はいまも「中国」と扱われる)。そう考えると、蓮舫代表が20年以上前に「台湾籍」のことを「中国籍」と表現していても何の不思議もない。むしろ当時の感覚としては当然ともいえるだろう。

 ようするに、こんな何の証明にもならないたった一言の発言を根拠に、ネトウヨは三重国籍などとがなり立てていたのである。

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