だが、安倍政権がいくら情報操作や謀略を駆使しても、以前のようにはいかない可能性もある。一連の問題で、安倍政権のやり口は完全に国民にばれてしまったし、最大の火種である加計学園問題がたんに忖度によるお友だちの特別扱いにとどまらず、金銭疑惑に発展しそうな気配があるからだ。
そのひとつが、下村前文科相の闇献金問題。下村氏は闇献金を否定し、選挙妨害だなどと言い張っているが、文科相在任中の違法性の高い献金を受けていた疑惑は日増しに高まっている。たとえば、下村氏は6月29日の会見で「加計学園の秘書室長が事務所を来訪」し代金を渡したと説明していたが、きのうの「しんぶん赤旗」の取材によると、下村氏のパーティを開いた団体「博友会」の届け出住所に、博友会の事務所はなく学習塾と運営会社があるだけだったという。
「同じような疑惑が安倍首相にもあるんじゃないか、との噂もあります。『週刊文春』幹部が“下村の次がある”と言ってるらしいんですね。すでに資料を入手し、第二弾としてやるんじゃないかという噂が根強く流れています」(全国紙社会部記者)
また、少し前、加計学園傘下の通信制高校に、自民党の支部が置かれ、そこの支部長に加計孝太郎氏が付いていたことが報じられたが、今週の「週刊ポスト」がこの支部の存在が政治資金規正法違反である可能性を指摘している。
さらに新たな疑惑も浮上している。国家戦略特区の事業には加計学園以外にも、安倍首相やその周辺人脈の企業がかかわっているケースがあるのではないかという疑惑が前々からささやかれていたが、そのひとつ、国際医療福祉大学の医学部設置認可をめぐり、安倍首相に直結する疑惑があるとして、新聞社が取材に動いているというのだ。
「この国際医療福祉大学の特区指定もプロセスは加計とまったく同じで、“最初から決まっていた”としか思えない不自然なものでした。安倍事務所の関係者が介在したという話もあり、うちだけでなく、複数の社が、取材チームを組んでいます。もしかしたら、近いうちに大々的に報道される可能性もあります」(全国紙社会部記者)
いずれにしても、今回の都議選の結果だけで、即、安倍政権の「終わりの始まり」になるわけではない。安倍政権を本当に終わらせられるのか、それとも、一時的なガス抜きにすぎず、結局、安倍一強支配を続けさせてしまうのか。それはこれからのメディアの動きと、国民の声にかかっている。
(編集部)
最終更新:2017.12.06 03:38