2013年には都議選大勝利を自慢した安倍首相が今回は会見をトンズラ
ちなみに、自民党が大勝した2013年の都議選では、開票当日の午後11時頃に私邸前で報道各社のインタビューに答え、「半年間の政権の実績について一定の評価をいただいたのではないかと思う」と胸を張っていた。それが、今回、私邸前で待っていた報道陣の質問に一切答えずさっさとひっこんでしまった。
しかも、安倍首相がその前に何をしていたかというと、麻生太郎財相、菅義偉官房長官、甘利明元経済再生担当相というお友だちと高級フレンチ。会食では「首相の責任問題にはならない」「国政に影響を与えない」「みんなで首相を支える」「経済最優先」などと都合のいいことを菅ら“お友だち”と話し合ったという。
この安倍首相の態度には自民党内部からも「外で飯食ってる場合ではないだろ」「都議選候補たちと一緒に涙を流すべき、なぜ何食わぬ顔でフレンチが食えるんだ」などと怒りの声があがった。
こうした批判を受けてか、安倍首相はいちおう今日午前になって囲み取材に応じ、「深く反省」などと反省のポーズを示したが、一方で「停滞するわけにはいかない」などと語り、これからも首相の座に居座り続ける姿勢を示すと、そそくさと報道陣から離れていった。
こうした態度を見ると、おそらく、安倍首相が今後も一連の加計疑惑の解明のための閉会中審査や臨時国会の要求などには応じることなく「都議選の結果と国政とは別問題」と強弁しつつ、早期の内閣改造で自分の責任に蓋をしてしまう作戦をとるのは明白だろう。それどころか、いつもの情報操作、謀略を駆使して、野党やマスコミ叩きを展開。改憲の動きを加速して、それを論点に一気に政権浮揚をはかろうと考えているはずだ。
きょう、民進党の藤末健三政調会長代理が憲法改正に反対する執行部に異を唱えて離党することが公表された。藤末議員は都民ファーストの可能性が高いと報道されているが、自民党も歴史的大敗から目をそらすために、民進党の切り崩しを図っているのだという。
「自民党も憲法問題を軸に民進党議員の離党を働きかけているようです。5人といわれる離党組のうち、半分くらいが自民党に鞍替えするのではないか、といわれています。安倍さんとしては、とにかく民進党さえがたがたにしてしまえば、国政で追及されることはない。そのうえで、次の選挙で都民ファーストと協力すれば、維新と同じようにその人気を使って政権浮揚できるし、一気に改憲までもっていけると考えているのでしょう」(全国紙野党担当記者)