フジテレビ『ワイドナショー』番組ページより
先週の『ワイドナショー』(フジテレビ)で、小出恵介の未成年淫行問題について、「未成年の女にも罰則を」と暴言を吐いた松本人志。あまりのバカ発言に、批判する気さえ失せてしまっていたのだが、考えを改めた。
松本は今週の同番組で、発言を反省するどころか、ネット上に相手女性への批判が出回っていることを歓迎し、「SNSとかがまんざら悪くない」「我々タレントにしたらいい時代になってきた」とコメントしたのである。
しかも、いつものごとく、この発言を御用スポーツ紙サイトが金科玉条のようにもちあげ、ネトウヨやミソジニストたちが「さすが松ちゃん」と喝采の声を上げている。このまま放置しておくと、こんな下劣な発言が拡散していつのまにか“正論”として流通しかねない。ここはやはり、この男がいかにデタラメなことを言っているか、きちんとダメだしをしておく必要があるだろう。
まず、先週の発言からいこう。そのまま忠実に文字に書き起こすと、松本は以下のようにしゃべっていた。
「もうそろそろ未成年の女のほうも取り締まれるような罰則を作るべきやと思う。罰をつくったほうが絶対にこういう事件は減ると思う。なんでやらないのか不思議」
これを読むと、もはや松本が法律というものに目的があることさえ理解していないことがわかる。あのね、淫行条例は青少年保護条例(青少年健全育成条例など名称はいろいろ)のなかに含まれているもので、身体や精神が成長途上にある18歳未満の少年少女を保護するのが目的なのだよ。淫行条例も大人が少年少女に性的行為を誘いかけるなどして、そういう行為の機会をつくりだすことを防止するために制定されたのだ。
それを、少女の側を処罰しろって、それじゃ青少年保護条例じゃなくなってしまうじゃないか。というか、そもそも、松本は「こういう事件」での少女の行為の何が罪に当たるというのだろう。彼女は売春したわけでもないし、自分から無理やり小出を誘ったわけでもない。33歳の小出に誘われてセックスをしただけである。それを処罰しろって、おっさんとセックスしたら犯罪ということなのか? それとも、相手が誰だろうが、18歳未満の女性はセックスすることじたいが処罰対象だというのか。あるいは、後になって写真週刊誌に芸能人との関係を告発したから逮捕しろ、といいたいのか。
ようするに、松本は法律によって何を守っているのか、何を目的に処罰するかもわからないまま、たんに「男ばっかりずるい!女の方もしょっぴけ!」と叫んでいるだけなのである。