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ワイドナショー「宮崎駿監督の引退宣言集」はデマ! ネタツイートをそのまま放送、松本は「7回はひどい」と宮崎批判

 これに加え、2013年の引退会見で口にした「何度もこれまでにやめると言って騒ぎを起こしてきた人間ですが今回は本気です」「次の作品も考えると5年じゃ済まない、6年か、7年か。僕の長編アニメーションの時代はもう終わったんだ…」というセリフを紹介した。

 アナウンサーがこれを読み上げる間にも、松本は「もうアカン、もうアカンわ。信じひん」と口にし、東野は机に突っ伏しながら「ウソばっかりやん」と爆笑。さらに、引退撤回の発表時も「年齢的には今度こそ本当に最後の監督作品になるでしょう」と記されていたことをアナウンサーが口にすると、古市憲寿はうすら笑いを浮かべ、東野は「だーれも信用してませんよ」と発言した。安藤和津がそれだけ毎回出し切ってるっていうことだから、騙され続けようと擁護するも、松本は「でも7回はちょっとひどくない?」とバッサリ。

 当然、ネットでも「宮崎駿監督の引退宣言がおもしろすぎる」と話題になった。しかし、宮崎監督ってこんなに毎回、大々的に引退宣言なんかしてたっけ? たしかに、『千と千尋の神隠し』の完成披露記者会見で「長編はもう無理」といった発言をしていたが、正式なものは引退会見ぐらいだったような……と思いながらネットを見ていると、あるツイートが目に入った。

〈86年ラピュタ「人生で最高に引退したい気分」
92年紅の豚「86年を上回る引退の意思」
97年もののけ姫「100年に1度の引退の決意」
04年ハウル「ここ数年で最高の辞めどき」
13年風立ちぬ「出来は上々で申し分の無い引退のチャンス」〉

 これ、フリップに書いてあったものと同じではないか!? 番組を見た人が面白がってメモ的に残したものかと思いきや、日付は宮崎監督が引退会見をした2013年のもの。そう、実はこれ、宮崎監督が発言したわけではなく、一般人の書いたネタツイートだったのだ。ネタツイートとはその名の通り、ネタやギャグとして作った創作のツイート。今回、そのツイートが丸パクリされたあげく、さも宮崎監督が言ったかのように紹介されていたのだ。

 アナウンサーは、番組のフリップを紹介する際に「いろんな形で公表の仕方は違ったんですが」と前置いているが、一体どこで宮崎監督がこれらの発言をしたというのだろう。ネタツイートを作った本人も放送後に「宮崎駿が言ったセリフではない」とツイートしているが、これくらい少し調べればわかることだ。

 しかし、『ワイドナショー』はそれさえも怠るような番組だったということ。もっともらしい情報番組のフリをしているが、ろくな裏付けもとらず、平気でデマを拡散させるおそまつさには、呆れて物も言えない。あるいは、どうしても加計学園のことを取り上げたくなかった松本の命により、急ごしらえで作ったコーナーだったのかもしれないが、どちらにせよ、こんなやり方ではテレビと世間とのズレは広がるばかりだろう。「ウソばっかり」で「もうアカン、信じひん」と言われるのは、この番組のほうではないか。

最終更新:2017.12.04 03:32

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