「やっぱり、松井さんがあれだけこのお立場で喋るっていうのは、すごいですよね。唯一ですよ」
「みんなが隠そうとしている中で松井さんはちゃんと会見を開いている」
大阪府私学審議会が設置基準を満たしておらず、反対意見が多数だった小学校をなぜ認可適当としたのかという最大の問題を松井がきちんと説明していないこと、なんでもしゃべると言いながら維新に百条委員会の設置を反対させてつぶしてしまったことを、坂上は知らないのか。いや、そんなはずはないだろう。
ところが坂上は、そのあとも同じ調子で、結局、森友問題で質問したのは「松井さんから見て籠池さんとか、籠池さん夫婦ってどう映ってるんですか」ということだけ。前述した認可の経緯をめぐる疑惑はもちろん、小学校建設を請け負っていた建設会社と維新の疑惑の関係も、当初、財務省から圧力があったと盛んに言っていたのに最近言わなくなった理由も、一切追及することはなかった。
これでよくも「森友に斬り込む」などと言えたものではないか。『バイキング』で上西小百合議員にはあれだけ強い態度で臨んでいるのに、松井知事に面と向かった途端、笑っちゃうくらいへっぴり腰というのは、この男の毒舌はしょせん、弱いものいじめにすぎないということなのだろう。
しかし、もっとひどかったのは、やはり松本人志だった。冒頭から、松井に対して「(出演してくれて)いやー、ほんとありがたいですねー」としっぽをふり、森友問題に話題が移ると、すかさず「あー、あれはねー、ほんとに、ノンスタイル(の井上)以上の当たり。当て逃げでしたよねー」とギャグに見せかけて、松井知事が被害者であるかのようにフォロー。それきり、松本は『ワイドナショー』と同様、森友問題の話題にまったく入ろうとしなかった。
しかも、最悪なのが、橋下の政界復帰の話題になると、突然、元気になって、こんなことを言い始めたことだ。
「都構想はまだあきらめてないんでしょ」
「もう1回やらないと。もう1回やったらたぶん、いけますよね」
「今回ほっといてもなると思ってたから、みんなたぶんそっちにいかなかった。でも、ああ決まらなかったっていうことで、みんなたぶんもう1回やったら、僕はいけると思いますけどねえ」