映画『君の名は。』公式サイトより
先日発表された第40回日本アカデミー賞で、アニメ作品では初となる最優秀脚本賞を受賞したことも話題の『君の名は。』。公開から半年以上が経った現在もいまだに劇場公開の続く超ロングラン上映となっているが、新海誠監督はそろそろ次回作に取り組むタイミングとなっているとのことで、どんな方向性の映画をつくろうか模索しているようだ。
邦画史上でも稀に見る大ヒット作の次はどんな映画になるのか──監督の肩には相当なプレッシャーがかかっているであろうが、そのヒントとなる発言が最新のインタビューのなかにあった。それはなんと、これまでの新海誠作品の世界観とは180度真逆の「大人」な「夜」の世界。もっと下世話な言い方をしてしまえば「物語のなかに“ラブホテル”が出てくる世界」を見据えているのだというのだ。
その発言があったのは、「ダ・ヴィンチ」(KADOKAWA)2017年4月号に掲載されたスガシカオとの対談でのこと。お互いがファンだと告白し合う和やかな雰囲気の対談のなかで新海監督はこのように語り出す。
「僕はそろそろ次回作を考えなければいけないタイミングなんですが、お話の中身はもちろん、音楽をどうするかということも一緒に考えていきたいなと思っていて、ヒントを探しているんです。そんな下心もあって今日ここに来たんですが(笑)」
『君の名は。』におけるRADWIMPSの劇伴はもちろん、『秒速5センチメートル』での山崎まさよし「One more time, One more chance」、『言の葉の庭』における秦基博「Rain」など、新海作品において音楽の存在は極めて重要な立ち位置を占めており、それは脚本の善し悪しにも匹敵するほど大事なものと言ってもいいかもしれない。