瑞穂の國記念小學院HPより
ここにきて、大阪府教育庁から小学校新設を不認可とする方針が報じられるなど、いよいよ窮地に立たされた学校法人森友学園。そんななか、同学園理事長・籠池泰典氏が反撃に出た。大阪府の再調査に際し、瑞穂の國記念小學院の敷地内で囲み取材に対応したのだ。
そちらのほうはテレビで生中継されたためご存知の方も多いと思うが、もうひとつ、籠池理事長が反撃のために使ったのがYouTube。赤い垂れ幕を背景にした籠池氏がひとりでカメラに向かう籠池氏の映像が突如、アップされたのだ。
「はい、みなさん、こんにちは。長い間沈黙をしておりましたけれども、いよいよお話しせないかんときが、いま来ました」
こう切り出しや籠池氏。てっきり、このあと、国有地がタダ同然で払い下げられた不透明すぎる経緯やさまざまな嘘、そして政治家の関与について具体的説明をするのかと思いきや……全然違った。
その口から飛び出たのは、まずマスコミへの批判だった。籠池氏はマスコミの報道は嘘ばかりだとして「私のほうは、その犠牲者と言ってもいいんじゃないかなと思います」などと主張。マスコミや野党議員が調査や取材で小学校や幼稚園の周辺にくることについて「そういうことの風評被害(がある)」などと述べた。
その被害者ヅラにあきれざるを得ないが、さらにトンデモなのはここからだ。籠池氏は「(マスコミは)他に取材することがないんですか!」と語気を荒げて、6日の北朝鮮によるミサイル発射について、こんな持論を展開し始める。
「北朝鮮からこのまえ、テポドンが発射されました。そのときに大阪府のほうの教育委員会から文書がきたのは、どうぞ北朝鮮の人たちに、子どもたちに暴言をはかないように、と。冷静に行動してくださいという文書がきました。どういうことなんですか? もしも日本に、日本のなかにテポドンがあたってたら、どういうことになったんですか。そのときでもそういうふうな文書を出すんですか! そういうことをするのにもかかわらず、われわれが虐待をしたとか(言われるのは心外だ)。ここの幼稚園で虐待なんぞありませんよ」
無茶苦茶な話のすり替えだが、それ以上にヤバいのは、完全に国籍による差別を肯定していることだ。府教委からきたという「文書」の真偽はともかくとしても、籠池氏の口ぶりからわかるのは、“北朝鮮が日本海沖にミサイルを発射したのだから、在日コリアンに暴言を吐くのは当たり前”という感覚。これが本当に教育者を名乗る人間のセリフなのか。