小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

乃木坂46の「恋愛禁止」ルールをめぐって議論勃発…変わりゆくアイドルの恋愛ルール違反ペナルティ

「僕は、その、恋愛禁止条例ってのはね、一つのネタとしては歌にしたり、あるいはネタとしては『そうだよな、うちは恋愛禁止条例だからな』と言ってるけれども、たとえば、テレビのコメントでも、なんだっけな、EXILEの番組に出たときにも『まぁ、うちはゆるいからね~』とかっていうのを言っているように、決して、その、恋愛が禁止なんではなくて」

 では、その結果恋愛禁止ルールは撤廃されたのかと問われれば、答えは確実にNOだ。表立って恋愛禁止ルール違反で罰することはなくなったが、どう考えても怪し過ぎるタイミングで卒業などが発表されるケースがその後続出する。

 乃木坂でいえば、14年末に恋愛スキャンダルを起こした畠中清羅は翌年の2月に卒業を発表。その際には、卒業理由として「グループに頼らず自立して大人になるために自分で決断した」といったような曖昧な文言があげられていたが、時期やタイミングを考えると疑問を抱かざるを得ない。

 それは最近でも続いていることで、昨年10月に「週刊文春」が提供するネット番組「文春砲Live」で元ジャニーズJr.のメンバーらと深夜デートをしていたと写真付きで報じられたAKB48の大和田南那と西野未姫は年内に続々と卒業を発表。その際の卒業理由として両者ともスキャンダルのことには一切触れることなく「新しい自分を見つけたい」といったぼんやりとした言葉を語るにとどまっていたが、グループ内でもかなり推されている立ち位置の若手メンバーだっただけに相次いで急にグループを抜ける意味合いもよく分からず、裏で解雇通告に近いものがあったのではとの声がネット上には溢れた。内部事情ゆえに断定はできないが、首切りを含む処罰は外からは見えないかたちで執行されるものに変わりつつあるのかもしれない。

「AERA」(朝日新聞出版)16年2月15日号で伊藤和子弁護士は恋愛禁止ルールについて法的観点からこのように語っている。

「芸能事務所とアイドルの契約において、交際禁止規定という制約を課すのはおかしい。恋愛は、憲法13条で尊重される『幸福追求権』です。いかに契約であろうと、憲法で認められた個人の自由を制限する形の交際禁止規定は無効です」

 アイドルの契約に「恋愛禁止」などという奴隷契約のような条項を平気で入れて、それを破った途端に訴訟を起こすような芸能事務所などは問題外だが、現在のアイドル業界における恋愛禁止ルールは外部からは見えにくい環境で施行され、執行される時代になっている。そのことについても考えをめぐらせ、疑問の声をあげていく必要があるだろう。
(新田 樹)

最終更新:2017.03.07 12:03

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。