安倍晋三公式サイトより
安倍首相の森友学園土地取引への関与がますます濃厚になるなか、昨日5日、自民党の定期党大会が開かれ、総裁任期が従来の2期6年から3期9年に延長されることが正式に決定した。これはもちろん、来年安倍首相の総理大臣としての任期を2021年9月まで延長させるための措置だ。
たしかに、安倍首相には、昨年夏前くらいから「改憲を自分の手でなしとげるために、任期延長を狙っている」という観測が流れ、実際、リオ五輪の閉会式では明らかに自分が2020年の東京五輪を仕切ることを意識したパフォーマンスを繰り広げた。しかし、まさかこんなにすんなり決まってしまうとは……。
だが、いまの自民党を見れば、こうなるのも当然なのかもしれない。3月1日の参院予算委、共産党の小池晃議員が森友学園・塚本幼稚園の運動会での「安倍首相ガンバレ、安倍首相ガンバレ、安保法制通過よかったです」という選手宣誓を読み上げたが、その際、自民党議員の席からは「素晴らしい!」「正しい!」などというヤジが飛んだ。いまの自民党は完全に安倍サマの独裁政党に成り下がってしまっているのだ。
「安倍首相の出身派閥である清和会が膨張しているというのはもちろんですが、安倍政権下で誕生した安倍チルドレンといわれる国会議員は4割を超えています。また、閣僚人事にしても、入閣待機組はいまや70人に達しようという勢いですが、安倍首相は側近議員や自身に恭順の意を示す他派閥の“隠れ安倍派”を重宝することで切り崩しているんです」(全国紙政治部記者)
小選挙区中心の選挙制度にも原因がある。以前の自民党には極右からリベラル保守までさまざまな考え方があり、中選挙区制ではひとつの選挙区から自民党候補が何人も出馬、それが派閥を形成し、党内での議論も盛んに行われていた。だが、小選挙区制になってからというもの、執行部の影響力が肥大化。総裁と幹事長に権限が集中し、執行部に恭順の意を示さないと冷や飯を食わされる状態だ。物言えば唇寒しで、批判をしようものなら公認すら外されかねない。実際、2015年の総裁選では、党内の全7派閥が安倍再選を支持。かつてはリベラル派といわれた宏池会なども完全に安倍官邸の軍門に下り、派閥独自の政策を主張する様子も見せないことこそ、その“安倍恐怖政治”の証明と言える。