厚切りジェイソン『日本のみなさんにお伝えしたい48のWhy』(ぴあ)
「本当はそんなにすごくない日本の文化に対して感動しないといけない」
「日本は四季があるからスゴいというけど、アメリカにも四季は四つある。でもそう言ったら全面カットだから『四季スゴいよねー』と言わないといけない。四季はどこでもあるよ!」
2月19日放送の『ボクらの時代』(フジテレビ)で、“日本スゴい番組”をこう批判し、ネトウヨたちから「文句あるなら帰れ」「イヤなら来るな」などと攻撃された厚切りジェイソン。当サイトでは先日、この厚切りジェイソンの主張が至極まっとうなものであることを指摘し、これまた大きな反響があったが、実は、同番組でジェイソンはもうひとつ、重要な指摘をしていた。
それは、日本のお笑い芸人が政治的発言、とくに政治権力を批判するような発言を一切しないという問題だ。厚切りジェイソンはまず、「日本とアメリカのお笑い文化の違い」について、このように意見を述べている。
「種類が全然違いますからね。それこそ、アメリカのお笑いはトランプを題にしている人が多いんですけど、日本はあまり政治ネタはしないし、パロディもあんまりしない」
「無難というか、無難過ぎるから子ども向きに感じるんですよね。みんなが笑えるイコール子ども向け。なんだろう、自虐ネタが多いんですね、日本では。ハゲてる人はハゲをネタにして。顔デカい女の人が、顔デカをネタにしたりと」
アメリカの長寿コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』では、大統領選挙中からドナルド・トランプをネタにしたパロディのコントがしばしば放送され、そのたびに大きな話題を呼んでいる。しかし、日本では、そのようなレベルで安倍晋三をネタにして笑いをつくる芸人はほぼ存在しない。ザ・ニュースペーパーを筆頭とした数組だけだろう。
その理由は、そういった発言をすると、政権からの批判やネトウヨからの炎上攻撃を受けるからだ。しかし、厚切りジェイソンは圧力に負けて口をつぐむ人たちをこう切り捨てる。
「結局、なにも言わない人は、なにも思っていないのと同じだと僕は思いますけどね。だから、多くの日本のメディアに出ている人たちはまったく意見がなくどうでもいい(と思っている)ようには感じます」