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「出演強要問題」はAVだけでなくグラビアアイドル業界でも起きている…中には事務所が強いるケースも

 しかし、フリーランスで動くことによるデメリットもまた存在する。吉沢氏もかつては事務所に所属し、現在はフリーランスとして活動しているのだが、そのマイナス面をこのように指摘している。

〈デメリットは、“後ろ盾がないので、トラブルがあると全責任が自分にかかってくること”。たとえばDVDやグラビアの撮影で打ち合わせより面積の小さい水着を要求されることはよくあるのですが、事務所所属だとマネージャーがうまく断ってくれます。しかし、フリーですと自分で断らなければいけませんし、直接断るとどうしても「厄介なやつだな」とか「生意気な子」と思われがちなので、そういうときは“マネージャーさんがいたらなぁ……”と思います〉(前出『グラビアアイドルのぶっちゃけ話』)

 フリーランスで活動する人がいるという状況は実はAVも同じである。そして彼女らもまた、後ろ盾となってくれる人がいないことからトラブルに巻き込まれやすいのも同様だ。

 AV出演者の人権を守るための団体「表現者ネットワーク(AVAN)」の代表を務める川奈まり子氏は、昨年10月に行った本サイトのインタビューでフリーのAV女優たちが現在置かれている状況に対し、このように警鐘を鳴らしていた。

「彼女たちはいま、ネットを通じて『無審査AV』の世界に行っています。現在、AVメーカーにはNPO法人知的財産新興協会(IPPA)という、日本全国にあるAVメーカーの約8割が加入する団体があり、そこがガイドラインを定めているのですが、この無審査AVの世界は、まさしくアンダーグラウンドなもので、そういったガイドラインなど関係ありません。そこではひどい人権侵害が頻繁に起きている。よりによって、業界のなかでも一番弱い立場にいたフリーの企画女優たちがもう酷い目に遭い始めているんです」

 AVに比べるとあまり表に出てくることのないグラビアアイドル業界における人権侵害問題。今後もAV出演強要問題に関しては色々な議論が交わされていくことになるのだろうが、その際にこのことも頭にとどめておく必要があるだろう。
(田中 教)

最終更新:2017.01.31 12:17

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