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「出演強要問題」はAVだけでなくグラビアアイドル業界でも起きている…中には事務所が強いるケースも

「ミスFLASH2016」ファイナリストでもあるグラビアアイドルの吉沢さりぃ氏が出版した『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』(彩図社)には、グラビアアイドルにおける強要被害に関してこのように綴られている。

〈アコギな事務所の中には、所属タレントが新人で何も知らないのをいいことに、マネージャーが勝手に制作会社と話を進めることもあります。
 そういう場合、撮影当日、何も知らない女の子は過激な撮影を強いられ、「こんな話聞いてない」と泣いてしまいます。片や制作者側は「事務所とは契約している」「やってくれなきゃ困る」の一点張り。
 私も以前、TフロントNGなのに撮影日当日にはちゃっかりTフロントが用意されていて、毛の処理もしていないし、履きたくないしで泣きわめいて変えてもらったことがあります。毎回ロケについてきた社長がそのときはいなかったのでわかっていて来なかったのでしょう〉

 グラビアアイドルは撮影前に制作スタッフとNG項目について話し合い、どこまで踏み込んだ撮影を行うのか明確にしたうえで現場に望むのが通例だが、プロダクション側がそのNGを勝手に破って制作サイドと交渉を進めてしまう。

 マネージャーなどの事務所のスタッフは守ってくれず、制作サイドの人間は「話が違う」と怒っている状況。そんななか女の子たった一人で取り残され、最後まで断固拒否し続けることはなかなか難しいだろう。「いまだけ我慢すれば……」という気持ちに傾いてしまうことも想像に難くない。

 タレントを守るのがプロダクションの一番大事な仕事なのに、そこをまっとうしてくれないのなら、いったい何のための事務所なのかと思ってしまうが、このような事態になってしまう理由について吉沢氏はこのように分析している。

「事務所のマネジャーは通常、固定給プラス歩合という給与体系なんですけど、DVDって、まとまったお金として入ってくるから、大きいんですよ。それで、なんとか決めなきゃいけないというので、あれもできるし、これもできるって吹聴しちゃうんだと思います」(「日刊サイゾー」16年11月9日配信)

 一部にはこういった悪徳プロダクションもあるので、所属するときは事前にしっかり情報を集めなければいけないというわけだが、ただこういった事務所はごく一部で、世の中の大多数のプロダクションはこういったトラブルを避けるために存在しているものである。

 そんななか、最近はプロダクションに所属せずフリーランスで活動するグラビアアイドルが増えていると吉沢氏は本書で語っている。昨今のグラビアアイドルの仕事はテレビへの露出や雑誌の撮影以外にも、ネットであったり撮影会であったりと多岐に渡っているため、中堅以上の規模のプロダクションだと営業もしてくれずに放っておかれてしまうところを、自分自身で動くかたちであればこのような細かい仕事も取りこぼさずできるというところに利点があるのだろう。もちろん、事務所によるギャラの中抜きがないというのもある。

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