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横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」⑤

慰安婦“少女像”に過剰反応する安倍首相の差別思想! 慰安婦を“嘘つき”よばわり、「キーセンは韓国の日常」と暴言

 14年9月16日、参院議員会館。慰安婦問題に関する朝日新聞バッシングを考える集会で、元NHKプロデューサーの永田浩三・ 武蔵大学教授は、安倍氏のキーセンハウス発言などが載った本を手でかざしながら、「ETV2001問われる戦時性暴力」における番組改変事件を振り返った。

「NHKは『自主的に変えた』と言っていますが、政治介入があったとらえた方が自然です。放送の前、伊東律子番組制作局長(当時)が“黄色本”(『歴史教科書への疑問』)という本のページを開き、『言って来ているのはこの人たちよ』と告げました。そこには『議員の会』の前事務局長だった安倍首相らの名前が列挙されていました。伊東局長は『政治家が言って来ているのだから、分かってね』と恥ずかしそうに伝えました。『そんなことは許されない』という現場感覚がまだ錆びついていなかったのでしょう」

 元「慰安婦」問題を扱ったETV 2001は、安倍氏らの圧力を受けたと疑われるNHK幹部の指示で内容が劇的に変わった。放送予定前日、当時官房副長官だった安倍氏ら国会議員との面会を終えて松尾武放送総局長(当時)と野島直樹総合企画室担当局長(当時)が戻ってきた後、番組内容の改変が指示された。元慰安婦や元日本兵の証言などが削除され、放送時間も4分縮められてしまった。

「当時、こんな押し問答もあった」と永田氏は振り返る。

「安倍氏と面会をした野島氏は慰安婦についての表現を『ビジネスで慰安婦になった人たちですと言えないか』と提案、私が『事実と違う』と拒否したことがありました。安倍首相はいまだに過去の発言を撤回していませんが、オランダの飾り窓を引き合いに出して慰安婦問題は解決済とした籾井勝人会長の就任発言を聞いた時、97年当時のキーセンハウス発言が時計が止まっていたかのように蘇りました」

 既に韓国メデイアは安倍首相の暴言を取り上げ、07年に韓国の国会議員であるウリ党のユ・キホン議員も来日、外務省に抗議書を渡した。日本でも、阿部知子衆院議員(現・民進党)が07年5月7日と11日に国会で追及したこともあった。

 今回の少女像撤回要求で、安倍首相の暴言批判が再び噴出しても不思議ではない。すでに日韓合意直後から反発はあった。韓国の支援団体は「被害者や国民の願いを裏切った外交的談合だ」と非難。合意翌月の昨年1月26日、韓国人の元慰安婦が来日、両国政府の合意は「間違っている」と批判したのだ。

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