星野はさらに分かりやすくなるように、男女を逆転させて議論を進めていく。
「すごく分かりやすいなと思うのは、男女を反転するだけで全然怒る気持ちにならないんです。いままで彼氏がいたことがなくて、そういうこともしたことがない女性に対して『いいですよ、あなたとならしても』って男が言ったときに感じる感情って全然違うじゃないですか。怒りじゃない。それで拒否しても、全く怒る気にならない。『それはしょうがないよね』ってなる。でも、男になっただけで『お前、しっかりしろよ!』ってみんなから言われるっていうことは、それはいかにみんなが男と女というレッテルに縛られているかっていうことの証明なんですよね。だから、出演者が苦しんでいる理由は、見ている人たちの、怒った人たちの心のなかにある」
社会の価値観に絡め取られるのではなく、社会観の価値を疑ってみる。──最終話では、果たして問題提起した「愛情の搾取」をどのように着地させるのか、そしてどんな結論へと向かっていくのか。今夜の放送が楽しみだ。
(新田 樹)
最終更新:2016.12.20 06:32