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つるの剛士が「保育園落ちた日本死ね」の流行語選定を批判! 親たちの困難を理解せず国家への批判を許さない危険な思考

 しかも、待機児童は現役親世代だけの問題ではない。子をもたない女たちも、いかに「保活」が大変か、その現実を知っている。現在、働く女性のじつに6割が非正規雇用だ。さらに非正規の育休復職率はわずか4%。仕事が不安定な上に、子どもを産んでも保育園に預けられないのならどうすればいいのか。そうした不安が多くの女性に子づくりを躊躇させている。待機児童問題は、少子化にも影響を与えているのだ。

 なのに、そうした現実を告発したものを「汚い言葉」と呼んでしまえば、責任の所在は国ではなく親たちにはね返ってくる。つるのが「親として」と言うのなら、悲しむべきは「日本死ね」としか怒りのぶつけようがないくらい追い詰められた親たちがこの国には数多くいるという現実にあるはずだ。

 だが、このように言ってみたところで、つるのにはきっと届かないのだろう。

 そう思うのは、つるのはこれまでも、安倍政権の政策を無批判に“応援”してきたからだ。

 たとえば、昨年7月、安保法制の衆院通過後には、〈「反対反対」ばかりで「賛成」の意見や声も聞きたいなぁって報道やニュース観ていていつも思う。賛成派だって反対派だって平和への想い、戦争反対の想いは同じ〉〈強行採決。。いや、民主主義に則った多数決だとおもいます〉などとツイート。さらに同年9月には、こんな投稿も行っている。

〈僕の小学校時代(大阪、高槻)は国旗掲揚、国歌斉唱廃止、「皆平等」ということで運動会の点数制度廃止、何故か隣国の事を学ぶ授業。今考えればかなり偏った教育を受けていた地域、時代でした。イチ先生の歪んだ思想に多数の子供達を巻き込まないで頂きたい。断固。〉

 偏った報道、偏った教育──。つるのの批判の仕方を見ていると、もはやネット右翼と変わらないが、今回、つるのが「日本死ね」という表現に対して「汚い言葉」と反応したのは、ネット右翼と同様に「日本を誇れ」という思いが強いからなのだろう。しかし、そうして日本を誇ることを強要し、「自国に対して汚い言葉を使うな」と言っていると、それこそ北朝鮮のような国家と何も変わらなくなってしまう。そのことに、彼ははたして気づいているのだろうか。
(編集部)

最終更新:2017.11.12 02:00

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