しかも、驚いたのは、警視庁がマスコミに前打ちさせた後に、ASKAをなかなか逮捕しなかったことだ。第一報の14時30分から捜査員がASKA宅に入る20時過ぎまで、実に6時間も放置していた。
「これも、逮捕を夜のニュースにあわせるために時間調整したようです」(前出・警察関係者)
実は、この間、ASKAは自宅におらず、外出していた。何もなかったから良かったようなものの、そのまま逃亡していたり、あるいは自殺を図っていたとしたら、警視庁はどう責任をとるつもりなのか。
公正な捜査や容疑者の安全な身柄確保よりも、自分たちの部署の功績をアピールしようというこの警視庁の姿勢は、捜査機関としては危険極まりない。
しかも、問題なのはそのPR情報に無批判に乗っかるマスコミだ。まだ逮捕状も出ていない段階で、本人が否定しているのに、平気で「警察がそう言っているから」と開き直って、覚醒剤使用を決めつける。こういった姿勢が、多くの冤罪を生んできたのではないのか。
おそらく明日のワイドショーは、ASKAの逮捕を大々的に取り上げ「覚醒剤はこわい」といったコメントがあふれるのだろう。しかし、覚醒剤よりも癒着して事件を平気で作り上げる警察とマスコミのほうがある意味、はるかに恐ろしいことを我々は認識すべきだろう。
(田部祥太)
最終更新:2016.11.28 11:36