宇多田は、番組内で子どもに冷たいこの国の印象を、このように語っていた。
「赤ちゃんが生まれて国が成り立っていくのに、その赤ちゃんが将来、自分の年金を払う人になってくれるのに、なんでそんなちょっと泣いているぐらいで嫌な気持ちになるんだろうとか、すごく不思議です」
安倍首相は憲法改正によって「家族は、互いに助け合わなければならない」という義務を課そうとしているが、これは子育てにおいても家族にその責任を押し付けるものだ。女には「子を産め」「もっと働け」と言うだけで、賃金格差などの性差別の解消や保育サービスなどの整備がおざなりなのは、政権が女や子どもを軽んじているとしか感じられない。社会が子どもに冷たいのは、そのじつ、この国の政治の態度でもあるのだ。
(田岡 尼)
最終更新:2016.11.05 11:25