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宇多田ヒカル「東京はなんて子育てしにくそう」発言は正しい! 英国と日本で育児への社会的ケアはこんなに違う

宇多田ヒカル『Fantôme』(ユニバーサルミュージック)

 8年半振りとなるアルバム『Fantôme』(ユニバーサルミュージック)が絶好調の宇多田ヒカルが、先月20日に出演した『NEWS ZERO』(日本テレビ)で子育てについて語り、大きな話題を呼んだ。

 イギリス・ロンドンで子育ての真っ最中の宇多田が語ったのは、東京での子育てについて。宇多田は友人などから聞く話をもとに「東京って、なんて子育てしにくそうなんだろうとビックリしてます」と話し、その理由をこう述べたからだ。

「外で赤ちゃんが泣いちゃったらすごく嫌な顔をされるとか、ベビーカー持って外に行って乗り物に乗ると、周りがまったく協力してくれない上に、『なんだよ、こんな時間に』みたいな視線を投げかけられたり、実際に何か嫌なことを言われたり、っていう体験談を結構聞くんですよね」

 宇多田は「日本で子育てをしたことがないので、私の認識が間違っている可能性もあるんですけど」と留保していたが、これは現実に起こっている話だ。ネット上では電車やバスの車内でベビーカーが邪魔になっているとバッシングが起こり、保育園の新設には“騒音問題”として反対運動が繰り広げられる。子育て以前に、妊娠を理由に女性を解雇するなどのマタニティハラスメントだって表面化している。そうした日本の環境に「子育てしにくそう」と語った宇多田に対しては、ネット上で共感の声が広がった。

 他方、宇多田は、ロンドンの状況をこう話した。

「ロンドンでいちばんいいなと思ったのが、お母さんと赤ちゃんがそこらじゅうにいるんですよ。公園だろうがレストランだろがお店だろうが。授乳するにしてもレストランで全然するんですよ。くだけたカフェとかじゃなくても、そこそこちゃんとしたレストランでも嫌な顔、何もされないですし」

 レストランで授乳……!? と驚いた人もいるかもしれないが、これはイギリスでは当然のこと。イギリスに移住した著者が子育てについて綴った『子どもはイギリスで育てたい!7つの理由』(浅見実花/祥伝社)によると、イギリスでは2010年に改正された平等法によって年齢や障がい、性別、性的指向などさまざまな差別を禁じているが、そのなかで〈公共の場で母乳を与える母親を差別することさえ禁止している〉という。日本では人目のつく場での授乳は「非常識」「マナー違反」とされているが、イギリスではそうした意見が「差別」となるのだ。

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