だが、部屋に入った木村は女性に「ごそごそごそ」と“何か”をしようとしたという。
「夜も更けてるんですよ。大人ですから、そりゃ、そうなるでしょうということで。そんで行ったんです。マンションに。ほんで部屋に入りはって、なんか、ごそごそごそ、と。ほな、ばーって女性が出てきて。どうやら『私はそんなつもりで来たんじゃない』と。夜中も1時2時ですよ? そんなつもりじゃない言われたって、いやいや、それ以外何があるんですか?と。お互い大人で」
「それ以外何があるんですか?」という千原の感覚にまず唖然とするが、問題はその後、キム兄がこの女性に対してやったことだった。
「これはキム兄キレてるぞと、ばっと見てみたら、鬼通り越して、素の顔してるんですよ。ほんで『帰れー!』とか『出て行けー!』とかということで、声を荒げて終わんのやろと思った」
「なぜか冷蔵庫の上、冷凍室を開け、冷凍室をパッて開けたんですよ。え? 何すんのやろと思ったら、『これなあ』って、カッチカチの鶏肉を『これな、いらん鶏肉やから、俺はいまからこれを捨てんねん』って言ってて、いまもう帰ろうとしている、ハイヒールを履こうとしている女の子の足元にゴーンっと」
女性が自分の意のままにならないとキレて、当たれば大怪我をしかねないものを投げつけて威嚇する。とんでもない話だが、しかし、ジュニアは木村を非難したわけではない。鶏肉を投げるポーズや、玄関に凍った鶏肉が転がる様子をジェスチャー付きで説明しながら、この話をまさに「すべらない話」として面白おかしく語り始めたのだ。
しかも、話はこれだけで終わらなかった。キム兄はその後も、帰ろうとする女性に、「いらん鶏肉を捨ててるだけや」と鶏肉を投げ続けたのだという。
「なんとかハイヒール履いて、女の子がバーっと出て、エレベーター押すねんけどキム兄ももちろん出てきて。『俺は、いらん鶏肉を投げてるだけや』。コーーンと。エレベーターの前で待ってる女の子の足元にコーンと。全然エレベーター開かないんですよ。ほんで女の子は階段でカカカカーンと走っているなか、『いらん鶏肉捨ててるだけやね〜ん!』と(周囲は爆笑)。鶏肉がハイヒールを追いかける(笑)」
これはもはや「威嚇」どころではない。被害者が訴え出ていれば、暴行罪、脅迫罪が成立してもおかしくない事件ではないか。
そして、千原ジュニアの話を聞くかぎり、ジュニアもその場にいて、木村の行為を目の辺りにしながら、止めることもせず、笑って見ていたとしか思えない。それどころか、女性に対して「そんなつもりじゃない言われたって、それ以外何があるんですか?」という理不尽なセリフを投げつけていたのを聞くと、千原もある種の“共犯”だったんじゃないかという印象さえ受ける。